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「どうして私が入っていないんだ?」75周年チームから漏れたレジェンドが「傷ついた」胸中を吐露<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.10.27

スコアラーとして確かな実力を誇ったイングリッシュだが、75周年チームに選出されず。「心底がっかりした」と不満を露わに。(C)Getty Images

 10月19日から21日(いずれも現地時間)にかけて、NBAは創設75シーズン目を祝して記念チームを発表。創設50周年の1996-97シーズンに選ばれた最も偉大な50選手に加え、新たに26選手(最後は得票数が並んだことで、計76選手が選出)が名誉あるリストに仲間入りを果たした。

 新たに選ばれた26選手の内訳は、大半が1990年代以降に全盛期を迎え、2000年代に入ってもプレーしてきた選手や現役プレーヤーたち。1972~86年にかけてプレーし、3度の得点王などに輝いたボブ・マッカドゥー(元バッファロー・ブレーブス/現ロサンゼルス・クリッパーズほか)、そして偉大な50人から落選して議論を呼んだドミニク・ウィルキンス(元アトランタ・ホークスほか)の2人のみがその例外となっている。

 この結果に、納得がいかないOBもいる。ゴールデンステイト・ウォリアーズのクレイ・トンプソンは自身のインスタグラムに不満を投稿。また、ビッグマンとして歴代有数の実績を残しているドワイト・ハワード(ロサンゼルス・レイカーズ)やサンアントニオ・スパーズで4度の優勝に大きく貢献してきたトニー・パーカー、マヌ・ジノビリらが落選したことに、違和感を覚えた人も少なからずいるだろう。
 
 そしてここにもうひとり、記念チーム落選に「傷ついた」とこぼしたレジェンドがいる。アレックス・イングリッシュ(元デンバー・ナゲッツほか)だ。

 NBAキャリア15シーズンでオールスターに8度、オールNBAチームに3度選ばれたほか、1982-83シーズンには平均28.4点で得点王に輝き、1997年に殿堂入りを飾ったイングリッシュ。滞空時間の長い跳躍から、打点の高いジャンパーを繰り出して得点を積み重ね、1981-82~88-89シーズンにかけて当時としては史上初となる8シーズン連続の2000得点以上を達成。通算2万5613得点は、歴代20位にランクインしている。

 米メディア『Hoops Hype』のインタビューで、イングリッシュは「50周年記念のチームに私を入れなかったことは間違いだったと認識していると思っていた。私はそこに入るべきだと感じていたんだ。でも今回新たに加わった25選手(実際は26選手)にも入らなかったことでさらに傷ついた」と語り、こう続けた。

「彼らは50名の偉大な選手たちを残しつつ、ドミニク・ウィルキンスとボブ・マッカドゥーを加えた。彼らはスコアラーだったからね。じゃあどうして私が入っていないんだ?ドミニクが偉大なダンカーだったからか?マッカドゥーもそうなのかもしれない。

 確かに彼らは偉大な選手たちだ。でも私が残してきた作品の数々も同様に良かったはずだ。私がプレーしてきた年代で、私以上に点を取った選手はいない。しかも我々は毎年プレーオフの舞台にもいた。この結果に私は心底がっかりしている」
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100年記念チームまで待たなければ…