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“ジョーダン時代”以来の開幕4連勝を飾ったブルズ。それでもベテラン戦士は「何の意味もない」と冷静な姿勢を崩さず<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2021.10.27

ブルズの開幕4連勝の原動力となったデローザン。しかし予想以上の好スタートにも、冷静な姿勢を崩していない。(C)Getty Images

 現地時間10月25日に行なわれたトロント・ラプターズ戦を111-108で制し、開幕4連勝を飾ったシカゴ・ブルズ。イースタン・カンファレンスで唯一の無敗、リーグ全体でも同じく4勝負けなしのゴールデンステイト・ウォリアーズと並ぶスタートダッシュとなったが、新戦力のデマー・デローザンは兜の緒を締め直している。

 過去4シーズンのブルズは27勝55敗(勝率32.9%)→22勝60敗(同26.8%)→22勝43敗(同33.8%)→31勝41敗(同43.1%)と低迷。プレーオフ進出を逃し続けてきた。迎えた今夏、デローザン(←サンアントニオ・スパーズ)とアレックス・カルーソ(←ロサンゼルス・レイカーズ)をフリーエージェント(FA)で、ロンゾ・ボール(←ニューオリンズ・ペリカンズ)をサイン&トレードで獲得。戦力を大幅アップさせた。
 
 積極補強の甲斐もあって、開幕からデトロイト・ピストンズ、ペリカンズ、再びピストンズ、そしてラプターズと立て続けに撃破。対戦相手に恵まれた側面もあるが、大黒柱ザック・ラビーンがリーグ15位の平均25.5点に加え5.3リバウンド、4.8アシスト、デローザンも平均22.5点、5.8リバウンド、4.5アシストをマークしチームを牽引している。

 さらに、インサイドの要であるニコラ・ヴュチェビッチが平均14.3点、11.5リバウンド、3.5アシスト、2.25スティール、1.25ブロックと攻守で躍動すれば、司令塔ボールも平均14.3点、5.8リバウンド、5.0アシスト、2.00スティール、1.75ブロックを記録するなど、主力組のバランスの良い活躍も際立つ。昨季はリーグ19位(平均11.5点)だった1試合あたりのファーストブレイクからの得点が、リーグ6位タイの平均16.0点にアップしているのも今季のブルズの特徴だろう。

 25日のラプターズ戦では、相手に第4クォーターに反撃を受けた。それでもラスト4分半であげた8得点を含む26得点の活躍を見せたデローザンは冷静な姿勢を崩していない。地元紙『Chicago Tribune』が伝えたところによれば、フランチャイズ記録の開幕12連勝をマークした1996-97シーズン以来の4連勝スタート、さらにイースト唯一の無敗という好成績にも、「それは何の意味も持たない」と語っている。

「僕たちには長い道のりがあって、整理して学ぶべきことがまだたくさんある。シーズンは長い。結果が良いのは素晴らしいけど、自分たちのバスケットボールを磨いていく必要がある。この記録を名誉の証のようには扱えない。次の試合はさらに難しくなることを理解しないといけない」
 
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「子どもの頃からビッグショットを決めるイメージをしてきた」とデローザン