1910年に創設され、NBA（1946年）より古い歴史を持つNCAA（全米大学体育協会）は、プロを目指す若手選手たちにとって“王道ルート”であり、時代を問わず何人ものスーパースターを世界最高峰の舞台に送り出してきた。

　では、カレッジとNBAで実績を残した選手を対象に、大学別に最強メンバーを選出した場合、どんな顔ぶれになるのか。『THE DIGEST』では、双方に精通する識者に依頼し、各大学のベストメンバーを選んでもらった。

　今回はサザンカリフォルニア大（以下USC）編をお届けする。NCAA優勝はないものの、これまで45人のNBA選手を輩出。現役では今季からシカゴ・ブルズでチームメイトになるデマー・デローザンとニコラ・ヴュチェビッチや、スター候補のケビン・ポーターJr.など６人が活躍中だ。はたして同大のベストメンバーはどのような顔ぶれになるのか？
  【ポイントガード】
ガス・ウィリアムズ
1953年10月10日生。188センチ・79キロ
カレッジ成績：82試合、平均16.0点、4.2リバウンド
ＮＢＡ成績：825試合、平均17.1点、2.7リバウンド、5.6アシスト

　ABAのオールスター常連だったマック・カルビンもいるが、NBAでの実績はウィリアムズがはるかに上だ。USCでは75年にオール・アメリカン２ndチームに選出され、同年のドラフト２巡目（全体20位）でゴールデンステイト・ウォリアーズに入団。積極的に点を取りに行くタイプのPGで、シアトル・スーパーソニックス（現オクラホマシティ・サンダー）へ移籍した77-78シーズンはチームトップの平均18.1点。翌79年のファイナルでは第４戦で36得点、平均29.0点の大暴れでソニックスを初優勝に導いた。

　持ち前のスピードで切り込んでいき、多種多様なムーブを駆使して得点する様からついた渾名は“ウィザード（魔術師）”。キャリアの絶頂にあった80-81シーズンを契約のゴタゴタで全休したのは勿体なかったが、82年に復帰すると自己ベストの平均23.4点で、カムバック賞およびオールNBA１stチームに選出された。シューズの紐を「後ろ側」で結ぶ独特のスタイルも人気だった。