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「自分がレジェンドだと思ったことはない」謙虚なスター、ノビツキーが築いた偉大なキャリア<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.11.22

輝かしい実績を残したノビツキー。しかし本人は「自分がレジェンドだと思ったことは一度もない」といたって謙虚だ。(C)Getty Images

 トレードや解雇が目まぐるしく繰り返されるNBAで、21年間にわたり同じフランチャイズでプレーを続けるというのは、相当に特別なことである。それを実現したのが、1998-99シーズンにNBA入りし、2018-19シーズンに引退するまでダラス・マーベリックス一筋でキャリアをまっとうしたダーク・ノビツキーだ。

 このドイツ人のビッグマンは、ただ同じ球団に在籍していただけでなく、大黒柱としてチームを牽引し、球団初のチャンピオンタイトル獲得(2011年)にも貢献。その彼が背負っていた背番号41が永久欠番となることは昨年から報じられていたが、コロナ禍の影響もあってセレモニーの実現が遅れていた。

 しかしいよいよ、来年1月5日にダラスで行なわれるゴールデンステイト・ウォリアーズ戦でお披露目になりそうだと、NBAの情報通マーク・ステイン記者が伝えている。マーベリックスのファンは、ノビツキーがMVPに選ばれた2011年ファイナルの対戦相手であるマイアミ・ヒート戦が最高の舞台だと期待していたようだが、今シーズンのヒート戦はすでに11月2日に終わってしまっていた。
 
 先日発表された『NBA75周年記念チーム』の76人の1人にも選ばれているノビツキーだが、彼自身は非常に謙虚で、バスケットボールゲーム『NBA2K』の75周年記念版の表紙を、カリーム・アブドゥル・ジャバー(元ロサンゼルス・レイカーズほか)、ケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)とともに飾った際にも、「自分がレジェンドだと思ったことは一度もない」とコメントしていた。

「自分に起きたことは本当にクレイジーだ。信じられないような話だよ」

 そう振り返る彼は、20歳の誕生日を迎えた直後の1998年ドラフトでミルウォーキー・バックスから1巡目9位指名を受け、その後トレードされたマーベリックスでNBAデビュー。初年度の1998-99シーズンはロックアウトが敢行されるという不運なタイミングであり、さらにドイツでは"センター並の体格で3ポイントを得意とするシュート力のあるパワーフォワード"として圧倒的な力を見せつけていたが、アメリカのフォワード陣とのマッチアップでは、フィジカル面で劣る厳しさにも対面した。
 
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