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NBA

「自分がレジェンドだと思ったことはない」謙虚なスター、ノビツキーが築いた偉大なキャリア<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.11.22

 そして「クリスタプス・ポルジンギスを5番(センター)で使い、よりエリアを広げてプレーする今のNBAでプレーしてみたい」と思ったりもするそうだ。

 ノビツキーは現在もダラスに住み続けている。引退した後、新型コロナウイルスのパンデミックが発生する前は、これまで21年間もご無沙汰していた家族や親戚たちに会いに行く旅を重ねていた。特に、スウェーデン生まれでケニアにもルーツがある彼の妻の親族は各国に散らばっていて、彼らを訪ねて世界中を飛び回っていたそうだ。

 2020-21シーズンの前に、スティーブ・ナッシュがブルックリン・ネッツのヘッドコーチに就任した時は、1998年にともにマーベリックスに入団した同期の旧友から直々にアシスタントコーチになってほしいと懇願された。4歳違いのナッシュとは、外国人選手同士、絆を築いた仲だ。

「でも自分にとってはやっぱり、マブズと仕事することが一番しっくりくる」という理由でノビツキーは誘いを固辞した。もとより、指導者としての自分の姿はあまり想像できないのだと、昨年夏のインタビューで語っている。
 
 しかし「スティーブもコーチになることを思い描いていたわけではなかったが、その機会がタイミングとともに訪れた。だから何事も、『絶対ない』とは言えないけれどね」と、指導者となる可能性も完全には除外していない。

 今年6月にはマーベリックスの特別アドバイザーに就任。長年ドイツ代表を支えてきた彼は、国際バスケットボール連盟FIBAの選手会会長であり、来年9月にチェコ、ジョージア、イタリア、そして祖国のドイツで共催されるユーロバスケットではアンバサダーも務める。

「このスポーツで、自分は成功し、素晴らしい人生やキャリアを手にすることができた。だからこれからは、この競技に恩返しがしたいんだ」

 あの“片足フェイダウェイ”でバスケットボール史にレガシーを残したノビツキーは、これからのセカンドキャリアでも、バスケ界に存分に尽力してくれることだろう。

文●小川由紀子

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