NBAの2021-22レギュラーシーズンは現地時間4月10日に幕を下ろし、全30チームが82試合を消化。個人アウォードの投票権を持つ各メディアの識者たちが票を投じ、それぞれの受賞者が決定する。
なかでもMVPはそのシーズンを象徴する選手が手にするタイトルであり、リーグで最も価値のある栄誉。今季の有力候補として挙がっているのはニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)、ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)のビッグマンたちだ。
そんななか、12日にブルックリン・ネッツのケビン・デュラントは「俺が選ばなければいけないなら、ジョエル・エンビードにする。彼はスコアリングでリーグトップに立ち、数多くのダブルダブルを達成し、チームを50試合で勝利(51勝)に導いた。とんでもない数字だ。最高のシーズンを送ったのさ」と発言。
カメルーン出身のビッグマンは今季平均30.6点をあげ、NBA史上初となる外国籍選手の得点王となったほか、11.7リバウンド、4.2アシスト、1.13スティール、1.46ブロックをマーク。フリースロー試投数(803本/平均11.8本)と成功数(654本/平均9.6本)でもリーグトップを記録した。
特に2月のオールスター後は全試合で21得点以上を稼ぎ、平均32.6点を奪取。シーズンを通じてリーグ4位タイとなる46試合でダブルダブルを達成しながら、40得点+10リバウンド以上の試合を13度も披露してみせた。
デュラントは「今シーズンのMVP候補は6、7人いたと思う。それは俺たちのリーグが今どれだけ凄いか、どれほどのタレントがプレーしているかを示している」と付け加えたものの、「でも俺ならエンビードだ」とシクサーズの大黒柱を猛プッシュした。
“得点王を獲得すればMVP当確”というルールこそないものの、エンビードが初のスコアリングリーダーとなったことは、タイトルを争う上で大きな意味を持つだろう。
センターの選手が得点王になったのは1999-2000シーズンのシャキール・オニール(ロサンゼルス・レイカーズ/平均29.7点)以来初。同じくセンターの選手が平均30点以上をクリアしたのは1981-82シーズンのモーゼス・マローン(ヒューストン・ロケッツ/平均31.1点)以来40年ぶりで、両選手ともそのシーズンのMVPに輝いている。
デュラントの言うように、ヨキッチやエンビード、アデトクンボだけでなく、今季はフェニックス・サンズをリーグベストかつ球団史上最多の64勝に導いたデビン・ブッカー、シカゴ・ブルズの5シーズンぶりのプレーオフ進出の立役者となったデマー・デローザン、ボストン・セルティックスをイースト2位に押し上げたジェイソン・テイタムなど、MVP候補と呼ぶにふさわしいパフォーマンスを見せてきた選手たちが大勢いる。
ただ、“最も価値のある選手”となると、ヨキッチとエンビードの一騎打ちとなる見方が強い。NBA史上初のシーズン2000得点、1000リバウンド、500アシストをクリアしたヨキッチが2年連続の戴冠か、あるいはエンビードがシクサーズの選手としては00-01シーズンのアレン・アイバーソン以来となるMVPを手にするか。発表までしばらく議論は続きそうだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
なかでもMVPはそのシーズンを象徴する選手が手にするタイトルであり、リーグで最も価値のある栄誉。今季の有力候補として挙がっているのはニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)、ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)のビッグマンたちだ。
そんななか、12日にブルックリン・ネッツのケビン・デュラントは「俺が選ばなければいけないなら、ジョエル・エンビードにする。彼はスコアリングでリーグトップに立ち、数多くのダブルダブルを達成し、チームを50試合で勝利(51勝)に導いた。とんでもない数字だ。最高のシーズンを送ったのさ」と発言。
カメルーン出身のビッグマンは今季平均30.6点をあげ、NBA史上初となる外国籍選手の得点王となったほか、11.7リバウンド、4.2アシスト、1.13スティール、1.46ブロックをマーク。フリースロー試投数(803本/平均11.8本)と成功数(654本/平均9.6本)でもリーグトップを記録した。
特に2月のオールスター後は全試合で21得点以上を稼ぎ、平均32.6点を奪取。シーズンを通じてリーグ4位タイとなる46試合でダブルダブルを達成しながら、40得点+10リバウンド以上の試合を13度も披露してみせた。
デュラントは「今シーズンのMVP候補は6、7人いたと思う。それは俺たちのリーグが今どれだけ凄いか、どれほどのタレントがプレーしているかを示している」と付け加えたものの、「でも俺ならエンビードだ」とシクサーズの大黒柱を猛プッシュした。
“得点王を獲得すればMVP当確”というルールこそないものの、エンビードが初のスコアリングリーダーとなったことは、タイトルを争う上で大きな意味を持つだろう。
センターの選手が得点王になったのは1999-2000シーズンのシャキール・オニール(ロサンゼルス・レイカーズ/平均29.7点)以来初。同じくセンターの選手が平均30点以上をクリアしたのは1981-82シーズンのモーゼス・マローン(ヒューストン・ロケッツ/平均31.1点)以来40年ぶりで、両選手ともそのシーズンのMVPに輝いている。
デュラントの言うように、ヨキッチやエンビード、アデトクンボだけでなく、今季はフェニックス・サンズをリーグベストかつ球団史上最多の64勝に導いたデビン・ブッカー、シカゴ・ブルズの5シーズンぶりのプレーオフ進出の立役者となったデマー・デローザン、ボストン・セルティックスをイースト2位に押し上げたジェイソン・テイタムなど、MVP候補と呼ぶにふさわしいパフォーマンスを見せてきた選手たちが大勢いる。
ただ、“最も価値のある選手”となると、ヨキッチとエンビードの一騎打ちとなる見方が強い。NBA史上初のシーズン2000得点、1000リバウンド、500アシストをクリアしたヨキッチが2年連続の戴冠か、あるいはエンビードがシクサーズの選手としては00-01シーズンのアレン・アイバーソン以来となるMVPを手にするか。発表までしばらく議論は続きそうだ。
文●秋山裕之(フリーライター)