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アデトクンボ兄弟、イリャソワ…W杯戦士たちの序盤戦の活躍をチェック!【ギリシャ&トルコ編】

鳴神富一

2019.11.17

ワールドカップでは不発だったアデトクンボだったが、NBAでは水を得た魚の如く、開幕から縦横無尽に暴れ回っている。(C)Getty Images

 この夏、中国で開催されたFIBAワールドカップ。史上初の大会3連覇を狙うバスケ大国アメリカはスタープレーヤーの不在が響き、屈辱の7位でフィニッシュした。彼らに代わって頂点に立ったのはリッキー・ルビオやマルク・ガソルを擁し、抜群のケミストリーを誇ったスペインだった。

 アメリカ以外にも多くのNBAプレーヤーが母国の威信と誇りをかけて戦ったわけだが、今季のNBAをチェックする上で、オフにワールドカップに出場した選手たちにスポットを当てるのも面白いであろう。

 今回紹介するのはエーゲ海を挟んで存在するギリシャとトルコ。

 ヨーロッパ予選ではギリシャは1敗のみ、一方のトルコはスペインに次ぐ2位で予選を突破しており、本戦でも上位進出が期待された。

 昨季、NBAでシーズンMVPに輝いたヤニス・アデトクンボ率いるギリシャは1次ラウンドを2勝1敗で何とか突破する。しかし良くも悪くもヤニスへの依存度が高く、勝負所で弱さを露呈し2次ラウンドで力尽きた。

 トルコは初戦で日本に快勝。アメリカ戦でも最終盤までリードを保っていたが、大事な場面でフリースローを連続でミスし、痛すぎる逆転負け。そのショックを最終戦のチェコ戦でも引きずってしまい、1勝2敗で予選突破はならなかった。
 
 ギリシャには2人のNBA選手、ヤニスと兄タナシスのアデトクンボ兄弟が在籍していた。

 タナシスは昨季まで母国リーグでプレーしていたが、今年7月に弟が所属するミルウォーキー・バックスと契約。2016年以来のNBA復帰を果たした。

 ワールドカップで平均14.4点、8.8リバウンドという"平凡"な数字に終わったヤニスは、その鬱憤を晴らすべく序盤からエンジン全開だ。10月28日(日本時間29日)から11月3日(同4日)の4試合で平均25.3点、13.3リバウンド、6.5アシストを叩き出し、週間MVPに輝いたのを筆頭に、11試合で平均30.5点、14.5リバウンド、6.5アシストと圧倒的な数字をマークしている。

 一方、兄のタナシスは1試合で2得点のみ。国際大会では平均6.0点を稼いだが、NBAではベンチ外で過ごす日々も多く、まずはローテーション入りを目指す状態。ファンとしてはNBAでも兄弟の共演を見たいところだ。