NBA

交渉解禁初日から大型契約続出のNBA。イングルズのバックス移籍第一報を報じた“極めて近しい”情報源とは<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.07.01

34歳、オーストラリア出身のイングルズはこれまでジャズで8年間プレー。バックスへの移籍を報じた“意外な人物”とは?(C)Getty Images

 現地時間6月30日、フリーエージェント(FA)選手との交渉が解禁となったNBAでは、初日から多くの選手が延長契約や再契約、移籍に合意するニュースが報じられた。

 2シーズン連続でMVPに輝いたニコラ・ヨキッチはデンバー・ナゲッツと5年総額2億6400万ドル(約356億4000万円)のスーパーMAX契約、今季オールNBA1stチーム入りしたデビン・ブッカーはフェニックス・サンズと4年2億1400万ドル(約288億9000万円)のスーパーMAX契約、ブラッドリー・ビールがワシントン・ウィザーズと5年2億5100万ドル(約338億8500万円)というMAX額の延長契約に合意と、超巨額な契約が注目を集めている。

 ただ、大物選手の移籍は今のところダラス・マーベリックスのジェイレン・ブランソンがニューヨーク・ニックスと4年1億400万ドル(約140億4000万円)で合意と報じられたくらいで、ザック・ラビーン(シカゴ・ブルズ/完全FA)やディアンドレ・エイトン(サンズ/制限付きFA)など、今夏の注目FAたちの去就はまだ決まっていない。

 そんななか、完全FAのジョー・イングルズがミルウォーキー・バックスと1年650万ドル(約8億7750万円)で合意と『Yahoo! Sports』のクリス・ヘインズ記者が報道。

 今年1月末に左ヒザの前十字靭帯を断裂したイングルズは、2月9日にトレードで約8シーズン在籍したユタ・ジャズからポートランド・トレイルブレイザーズへ移籍。その後コートに立つことはなく、新天地にバックスを選択したことになる。
 
 NBAの移籍に関する情報は、『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者や『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者、ヘインズ記者らがSNSで第一報を報じることが多いのだが、今回のイングルズの移籍については、思わぬ人物がツイートしたことで明らかとなった。

 実はヘインズ記者が報じる約20分前、イングルズの妻レネイ・イングルズさんが「速報」をツイートしていたのである。

「ニュース速報:フリーエージェントのジョー・イングルズに"極めて近しい"情報源は、彼がミルウォーキー・バックスとの1年契約に合意したことを確認しました。この家のCEO、レネイ・イングルズはジョーと家族のことを思い、大喜びしています」

 FA戦線は初日から多くの選手たちが動きを見せており、選手の代理人やメディアも多忙を極めているが、こうやって選手の身内が移籍の一報を流すのは斬新だった。

 イングルズはリハビリ後の復帰となるため、来季開幕からプレーできる可能性は低いものの、プレーオフ常連のジャズで潤滑油的な役割をこなしていた好選手。クイックリリースで放つ高精度の3ポイントや、2メンゲームからの的確なパス捌き、ディフェンスでも堅実な働きが期待できる。

 ヤニス・アデトクンボ、クリス・ミドルトン、ドリュー・ホリデーというビッグ3を擁する一昨季のチャンピオンチームで、彼が万全の状態で復帰できれば、バックスにとってこの上ない補強となるに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)