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NBA

「難しい決断だった」ウォリアーズの名脇役が新天地にラプターズを選んだ理由<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.07.07

ポーターJr.は脇役としてウォリアーズの優勝に貢献したが、FAになった今夏にラプターズ行きを決断した。(C)Getty Images

ポーターJr.は脇役としてウォリアーズの優勝に貢献したが、FAになった今夏にラプターズ行きを決断した。(C)Getty Images

 NBAは現地時間7月6日(日本時間7日)にフリーエージェント(FA)選手との契約が解禁となり、トロント・ラプターズはオットー・ポーターJr.と複数年契約を結んだことを発表した。

 203㎝・89㎏で両フォワードをこなすポーターJr.は、昨季ゴールデンステイト・ウォリアーズでローテーション入りし、レギュラーシーズンで平均8.2点、5.7リバウンド、1.5アシスト、1.1スティールに3ポイント37.0%(平均1.3本成功)をマーク。

 3&Dとして効果的な働きを見せる29歳は、プレーオフに入ってもローテーションを死守。ボストン・セルティックスとのファイナルでは平均16.9分、5.2点、2.0リバウンド、1.0アシスト、1.0スティールにフィールドゴール58.8%、3ポイント56.3%と高確率でショットを沈めて自身初のNBAチャンピオンとなった。

「この組織が次のタイトル獲得へ向けて努力していくうえで、我々はオットーがNBAチャンピオンとなるために必要なことを理解していると思います。彼はこの世界でハイレベルな選手であることを証明してきました」

 ラプターズのボビー・ウェブスターGM(ゼネラルマネージャー)はリリースの中でそうコメントしており、ポーターJr.について次のように評していた。

「彼は多才なディフェンダーで、ハイレベルなシューターです。このチームの両エンドでうまくフィットすることでしょう。我々は彼の持つバスケットボールIQの高さ、この街との繋がりも評価しています」

 ポーターJr.は昨季こそウエスタン・カンファレンスのチームに所属していたが、それまでの8シーズンはワシントン・ウィザーズ、シカゴ・ブルズ、オーランド・マジックと、いずれもイースタン・カンファレンスのチームでプレーしてきた。

 ウィザーズ時代にはプレーオフで2度ラプターズと対戦しており、2015年のファーストラウンドではスウィープ(4連勝)勝利、18年のファーストラウンドでは2勝4敗で敗れている。
 
「トロントとはワシントンD.C.にいた頃にたくさん対戦してきた。あの街が大好きでね。それに僕の妻もここの出身だから、理に適っているのさ」とポーターJr.は新天地でプレーすることを喜んでいた。

 とはいえ、ポーターJr.は6月にウォリアーズでチャンピオンとなったばかり。ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーン、アンドリュー・ウィギンズらと共演し、ロールプレーヤーとして渋い活躍を見せてきただけに、複雑な心境だったという。

「タフだったね。あそこでチャンピオンシップを勝ち取ったんだから。(FAになった)多くの選手たちがまた戻ってくると期待していたと思う。難しい決断だったよ。でも僕は生涯、彼らとは固い絆で結ばれている。それだけ僕らは信じられない1年を送ってきたんだ」

 昨季イースト5位の48勝34敗(勝率58.5%)を残し、プレーオフ出場を飾ったラプターズはフレッド・ヴァンブリート、ゲイリー・トレントJr.、OG・アヌノビー、スコッティ・バーンズ、パスカル・シアカムというスターターが健在。今オフにはクリス・ブーシェイ、サディアス・ヤングとの再契約に合意している。

「僕にとってはトロントで得た新たな機会。ここにはチャンピオンシップを勝ち取りたいという野望がある」とポーターJr.は新たなチャレンジに胸を躍らせており、かつて敵として対戦してきたラプターズで自身2度目の優勝を狙う。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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