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「彼らを失望させるわけにはいかない」22歳の誕生日にペリカンズと延長契約を結んだザイオンが決意表明!<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.07.07

ザイオンは22歳の誕生日にペリカンズとの延長契約にサインした。(C)Getty Images

 現地時間7月6日(日本時間7日)。80人もの子どもたちが参加するサマーキャンプの会場(ニューオリンズのドリュアデス)で、ニューオリンズ・ペリカンズのザイオン・ウィリアムソンがチームから受け取った"誕生日プレゼント"にサインした。

「(これまでで)一番だね」とザイオンが口にしたプレゼントは、5年1億9300万ドル(約260億5500万円)というMAX額の延長契約。しかもザイオンが来季オールNBAチーム入り、あるいはMVP、最優秀守備選手賞(DPOY)に選ばれれば、その総額はスーパーMAX額の2億3100万ドル(約311億8500万円)まで跳ね上がるという超巨額契約である。

「家族、YMCA(キリスト教青年会)、ニューオリンズという街、特にベンソンさん(ペリカンズ・オーナー)にお礼を言わせてほしい。僕のことを信じてくれてありがとう。僕みたいな若者に自分の能力を見せつけて、チームへ複数回のチャンピオンシップをもたらす手助けをするチャンスを与えてくれた」

 延長契約にサイン後、そう口にしたザイオンにとって、この日は22歳の誕生日。この1年前は、シーズン全休を余儀なくされた右足の骨折が発覚した日だったという。

「去年の誕生日に、足を骨折していることが分かった。それから1年間(コートへ)出られずタフな年だった。ペリカンズが僕へ誕生日ギフトを与えてくれたので、彼らを失望させるわけにはいかない。そして僕の家族、この街もそうだし、何よりも自分自身を失望させるわけにはいかない」

 198cm・128kgの巨漢フォワードは、2019年のドラフト1巡目1位でペリカンズから指名されてNBA入り。ルーキーシーズンは24試合のみの出場ながら、平均22.5点、6.3リバウンド、2.1アシストにフィールドゴール58.3%、翌20-21シーズンには61試合で同27.0点、7.2リバウンド、3.7アシストにフィールドゴール61.1%をマークした。
 
 オールルーキー1stチーム、一昨季にはリーグ史上4番目の若さでオールスターのスターターに名を連ねるなど、コートに立てば強烈な印象を残してきただけに、次のシーズンでは昨季全休した鬱憤を晴らして大暴れしたいところ。

 昨季就任1年目からチームをプレーオフへ導いたウィリー・グリーンHC(ヘッドコーチ)は「彼はこのチームで重要な部分を占めており、それは我々が成し遂げたいと思っていることにおいても同じ。率直に言って、(彼が復帰すれば)NBAのチームにとって脅威になるだろう。そして我々は恐ろしいチームになれると私は見ている」とザイオンへ期待を寄せる。

 5月26日にバスケットボールのアクティビティがすべて可能となった若きスターは、このキャンプ中にもパワフルで迫力満点のダンクを叩き混んでおり、準備万端で来季を迎えようとしている。

「僕は自分が勝者なんだと証明したい。コーチと勝ちたいんだ。チームメイトと一緒にね。究極のゴールはチャンピオンシップを勝ち取ること。それは皆が目指して戦っていることだと思う。昨シーズン、このチームがやってきたことを見ているから、そこに加われるのが楽しみで仕方ないよ」

 来季に向けて意気込みを語ったザイオン。ブランドン・イングラムやCJ・マッカラム、ヨナス・ヴァランチュナスといったチームメイトと上手く共存し、1シーズンを通して健康体を保ってペリカンズの勝利に貢献できれば、評価は自ずと高くなっていくに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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