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NBA

ついに本格覚醒?伸び悩んでいた“元ドラ1”アンドリュー・ウィギンズが変貌を遂げたワケ

ダンクシュート編集部

2019.11.20

今季のウィギンズはジャンパーの数を減らす代わりにゴール下&長距離砲で効率良く得点を稼ぎ、リーグ10位の平均25.9点をマークしている。(C)Getty Images

今季のウィギンズはジャンパーの数を減らす代わりにゴール下&長距離砲で効率良く得点を稼ぎ、リーグ10位の平均25.9点をマークしている。(C)Getty Images

 NBAドラフト1巡目全体1位――。それはバスケットボール選手にとって、最高の栄誉だ。これまでNBAの前身であるBAA時代を含め、計73人の“ドラ1”が生まれてきた。

 現在の“キング”であるロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズ(2003年)を筆頭に、アレン・アイバーソン(1996年)やシャキール・オニール(1992年)らはそのステータスに見合う活躍を披露。

 しかし一方で、1位のプレッシャーに押し潰され、周囲の期待に応えられなかった選手も少なくない。1998年のマイケル・オロウォカンディや2001年のクワミ・ブラウンの両ビッグマンは大成しなかった例の代表格と言える。

 NBA入り以降伸び悩んでいたなかで、今季待望の本格覚醒を迎えたのが2014年1位でクリーブランド・キャバリアーズに指名されたアンドリュー・ウィギンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)だ。

 元NBA選手の父ミッチェルと陸上短距離の五輪選手だった母マリタ・ペインから受け継いだ桁外れの身体能力を誇り、将来のスター候補生と期待されたウィギンズ。1年目に全82試合に出場して平均16.9点をあげて新人王に輝き、16-17シーズンには自己最多の平均23.6点を稼いだものの、課題のロングジャンパーは伸び悩み、一学年下のカール・アンソニー・タウンズにフランチャイズプレーヤーの座を譲ってきた。

 迎えた6年目の今季、ウィギンズは開幕11試合を終えてチーム2位の平均25.9点、5.1リバウンド、3.6アシストと主要3部門で自己ベストの成績をマーク。11月11日のピストンズ戦では史上11番目の若さとなる24歳261日で通算8000得点に到達した。
 
 昨季までは決して得意ではないジャンパーに走りがちだったが、今季はインサイドと長距離砲を効果的に使って得点を稼いでいる。

 さらに評価すべきは、複数のディフェンダーを引きつけ、その次、さらにその次の一手を見据えながらプレーしている点だ。

 1試合の平均パス成功数は35.5本で昨季の26.0本から大幅アップ。データ分析会社「Synergy Sports」によれば、得点効率(PPP)0.92はアトランタ・ホークスのトレイ・ヤング(0.90/平均27.0得点)よりも上。アイソレーションのシチュエーションでは、昨季MVPのヤニス・アデトクンボに匹敵する数値に跳ね上がる。よりバランスの取れたオールラウンダーに進化していると言っていい。

 ウルブズのデイビッド・ヴァンダープール・アソシエイトヘッドコーチは、「彼は守備で素晴らしい仕事をしていて、攻撃面でも周囲を大きくステップアップさせている。生粋のスコアラーだから、必要な時にスコアをしながら周囲を助けている。オールスターレベルでプレーしているよ」とウィギンズを絶賛。

 チームも14試合終了時点で、8勝6敗でウエスタン・カンファレンス8位。今のウィギンズは、間違いなくキャリアで最高の輝きを放っている。残り約70試合、勢いを継続して勝利に導くことができるか。そのミッションをクリアした時、本当の意味でスターの階段を上り始めるはずだ。

構成●ダンクシュート編集部
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