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NBA

エンビード&シモンズの強力デュオを擁しながら波に乗れないシクサーズ。序盤戦で明らかになった致命的な弱点とは?

北舘洋一郎

2019.11.20

エンビード(右)やシモンズ(左から2番目)など豪華メンバーを揃えるシクサーズ。ただ新加入選手も多く、まだ“勝ちパターン”を確立できていない。(C)Getty Images

エンビード(右)やシモンズ(左から2番目)など豪華メンバーを揃えるシクサーズ。ただ新加入選手も多く、まだ“勝ちパターン”を確立できていない。(C)Getty Images

 11月19日時点で、フィラデルフィア・セブンティシクサーズは8勝5敗でイースタン・カンファレンス5位。開幕から5連勝とスタートは良かったがそこから3連敗を喫し、さらに2連勝の後に2連敗と、前評判ほどの結果は残せていない。

 ヘッドコーチのブレッド・ブラウンは言う。

「チームが勝つための方法を選手たちに浸透させる。それをまだ徹底できていなことが安定感がない要因だ」

 GMのエルトン・ブランドは今夏にジミー・バトラー、JJ・レディック、ボバン・マリヤノビッチといったベテランを放出。ロースターの若返りと、ジョエル・エンビードとベン・シモンズをシクサーズの2大スターとしてフィーチャーするチーム作りを選んだ。

 昨季からメンバーが半分近く変わると、補強した選手がいくらオールスター級(アル・ホーフォード&ジョッシュ・リチャードソン)であっても、チームが機能するまでにはある程度の時間を要する。

 ここまで10勝2敗でイースト首位のボストン・セルティックスは大黒柱のカイリ・アービングを放出し、代わりにケンバ・ウォーカーを補強した。チームの顔であるポイントガードを入れ替えたのだが、ウォーカーは新チームに上手くフィットしている。
 
 彼らが好調の理由のひとつに、新加入のウォーカーが今夏のワールドカップでジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウン、マーカス・スマート(ともにセルティックス)と多くの時間を過ごし、お互いのプレーや特徴を理解できたことが挙げられる。10月から本格的に試合形式の練習をスタートしたシクサーズに比べると、セルティックスは1~2か月も準備の期間があったことは大きなメリットだった。

「我々のチームにはすでに完成度の高い選手たちが集まっている。キャリア1年目や2年目の若手が主力を務めるチームとは違い、コート上で選手たちがどうプレーしたら上手くいくのかをルーティン化する必要がある。要は“これぞシクサーズ”というスタイルをプレーオフに向けて作っていかなければならない」とブラウン・ヘッドコーチは語った。

 シクサーズのオフェンスはリーグトップクラスだ。特にスタメンだけで1試合80~90点は稼ぐ。今季勝利した試合の平均が約112点なので、5人で約7~8割の得点を奪う計算になる。

 ところがこのストロングポイントの裏には、早急に改善が必要なウィークポイントも隠れている。バックアップに先発級の力を持つスコアラー、特にシューターが不足しており、接戦で苦戦する場面があるのだ。
 

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