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2007年に実現寸前だったノビツキー&コビーの“幻デュオ”をマブズ・オーナーが回想「トレードが成立したと思っていた」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.08.17

2007年にマブズはノビツキー(左)の相棒としてコビー(右)獲得を狙っていたが…。(C)Getty Images

 昨季、創立75周年を迎えたNBAにおいて、現役を最も長く続けたのはヴィンス・カーター(元トロント・ラプターズほか)の22シーズン。

 ただ、ひとつのフランチャイズで最も長くプレーした選手で見てみると、ダーク・ノビツキー(ダラス・マーベリックス)の21年がトップ。続いてコビー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)の20年となっている。

 両選手は多くの球団記録を保持しシーズンMVP、ファイナルMVPにも輝いているほか、ノビツキーは1度、コビーは5度の優勝を勝ち取ってきた。

 だが現地時間8月16日に公開された『Bleacher Report』のテイラー・ルックスとのインタビューで、マブズのマーク・キューバン・オーナーがその歴史を変えていたかもしれないエピソードを明かした。

 今から15年前の2007年夏、コビーはトレードされる可能性があった。当時のコビーは2シーズン連続で得点王となり、選手として全盛期を迎えていたが、レイカーズは2年連続でプレーオフ1回戦敗退。

 特に07年のプレーオフではスティーブ・ナッシュ率いるフェニックス・サンズの前に1勝4敗で完敗しており、優勝争いには程遠い位置にいた。

「私はあの時、ドクター・バス(ジェリー・バス前オーナー)のところへ行き来していた。それで誰だったかは忘れたが、ある人から電話があって、実際に『私たちはコビーと決別するかもしれないと見ている』と言ってきたんだ」(キューバン・オーナー)
 
 レイカーズが2年連続プレーオフ1回戦敗退に終わっていた一方、マブズは球団史上最高となる67勝15敗(勝率81.7%)でレギュラーシーズンを終え。ノビツキーはMVPに選ばれた。

 ところが、プレーオフでは1回戦でドン・ネルソン前HC(ヘッドコーチ)率いる第8シードのゴールデンステイト・ウォリアーズの前に、まさかの敗退を喫していた。

 現状からの脱却を視野に入れていたマブズにとって、コビーというリーグ最強のスコアラーを獲得できれば、覇権争いへ舞い戻ることができると考えていたのだろう。

「もの凄いことになると思っていた。ダークは『僕はコビー獲得のためにトレードされるのか…』って感じだった。そこで私は『いや違う。君をトレードしたりはしない。それがこのトレードで重要なことさ』と話したんだ」

 キューバン オーナーがそう振り返ったことから、マブズはノビツキーを放出せず、ジョシュ・ハワードやジェイソン・テリー、ジェリー・スタックハウス、デビン・ハリスらを交換要員としていたと思われる。

 ただ最終的に、マブズのコビー獲得という驚愕のトレード話は破談。キューバン・オーナーとしては、当時のミッチ・カプチャックGM(ゼネラルマネージャー)がコビーへレイカーズに残ることを説得したと信じているものの、今でも後悔の思いがあるようだ。
 
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「成立したと私は思っていた」とキューバン・オーナー