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「自分だけのスタイルを持ちたい」幼少期にレブロンとカーメロのファンだったバンケロが描く“理想像”とは?<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.10.17

バンケロが目指すのは“オリジナル”の選手で、「僕は自分自身であろうとしているところ」とこだわりを見せていた。(C)Getty Images

 近年オーランド・マジックは苦戦が続いており、昨季はイースタン・カンファレンス最下位の22勝60敗(勝率26.8%)に終わった。

 だが前年にどれだけ負けても、次のシーズン開幕時点では全30チームが0勝0敗からスタートする。特に昨季負け越し、あるいはリーグ下位に低迷したチームにとっては、心機一転のシーズンとなる。

 今季のマジックにはバックコートにコール・アンソニーやジェイレン・サッグス、マーケル・フルツ、RJ・ハンプトン、ギャリー・ハリス、フロントコートにはフランツ・ヴァグナー、テレンス・ロス、ウェンデル・カーターJr.、モー・バンバ、ジョナサン・アイザックと魅力的で将来性豊かな若手が顔を並べている。

 とはいえ、今季マジックで最も注目を集めるのはパオロ・バンケロだろう。今年のドラフト1巡目全体1位でマジックから指名された208㎝・113㎏のフォワードは、プレシーズン5試合に出場し、平均14.0点、5.2リバウンド、1.8アシスト、1.4スティールをマークした。

 現地時間10月16日に『Substack』へ公開された記事のなかで、19歳のバンケロはマーク・スタイン記者とのインタビューに応じ、自身が影響を受けてきたNBA選手について語った。

「レブロン(ジェームズ/ロサンゼルス・レイカーズ)とカーメロ(アンソニー/現無所属)を観て育ったんだ。子どもの頃はあの2人が僕のお気に入りだった。大きくなるにつれて、アンソニー・デイビス(レイカーズ)とジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)という、インサイドとアウトサイドの両方でプレーできるダイナミックなフォワードを知っていったよ」
 
 2002年生まれのバンケロは幼少期、若手スターとしてハイライトシーンへ頻繁に登場していたレブロンとカーメロをよく観ていたのだろう。

 デイビスとテイタムは現在もリーグを代表する選手で、プレーエリアを問わずに平均20点以上を残せるオフェンス力、そしてディフェンスでも平均以上の能力を兼備している。

 だが彼が目指すのはあくまで"オリジナル"の選手で、「僕は自分の才能を駆使して自分だけのスタイルを持ちたい。僕は自分自身であろうとしているところなんだ」とこだわりを見せていた。

 4日に『NBA.com』へ公開されたGMサーベイで、バンケロは今季の新人王予想で2位のキーガン・マレー(サクラメント・キングス/17%)を大きく引き離し、79%という圧倒的な支持を集めた。さらに5年以内にベストプレーヤーへ成長する新人という部門でも31%でトップに立っている。

 初年度からスターターとして多くの出番が与えられることが予想されるだけに、ケガによる離脱や長期間のスランプに陥らない限り、現時点では新人王の最有力候補と言えるだろう。

 それは本人も自覚しており、「チームの成功、僕らが最高の年を過ごすことを除けば、(新人王獲得が)間違いなく僕の主な目標だね」と自信を見せていた。

 マジックではシャキール・オニール、クリス・ウェバー(※ドラフト日にトレード)、ドワイト・ハワードに次ぐ史上4人目のドラフト1位選手となったバンケロは、彼らのようなスター選手に成長できるのか大いに注目される。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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