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「彼にとっては未知の領域かも」苦しむウエストブルックにカーターが助言。あるレジェンドとの比較も<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.10.28

レジェンドのカーターが、苦しむウエストブルックについて語った。(C)Getty Images

 現地時間10月25日、NBAレジェンドのヴィンス・カーター(元トロント・ラプターズほか)が自身のポッドキャスト番組『The VC Show』の最新エピソードを公開した。

 カーターは1998-99シーズンから2019-20シーズンまで、NBA史上最長となる22シーズンをプレーした鉄人。歴代19位となる通算2万5728得点(平均16.7点)、6606リバウンド(同4.3本)、4714アシスト(同3.1本)を残し、43歳までコートに立ち続けた。

 新シーズンの開幕から1週間が経過し、カーターはロサンゼルス・レイカーズ加入2年目ながら依然としてチームにフィットしきれていないラッセル・ウエストブルックについて持論を展開した。

「ラスはこれまでずっとラスであり続けた。それが最もタフなことなんだ。これまでクローザーとしてコートに立っていたのに、今ではベンチで(勝負所を)見守っている。彼にとっては未知の領域かもしれない。

そういう役割を受け入れるには少し時間がかかる。自分のエゴというものを抑えなければいけないからだ。私は自分の経験から話している。スターター、ゴー・トゥ・ガイ、オールスター。新たな役割を手にしたら誰だって嬉しい。簡単にはいかない時だってある。しかし我々は異なる状況でも対応するものなんだ」
 
 レイカーズは26日のデンバー・ナゲッツ戦を99-110で落として開幕4連敗。ウエストブルックは左ハムストリングの故障によりこの試合を欠場したが、23日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦では終盤にベンチへ下げられていた。

 この試合で27分30秒プレーしたウエストブルックは、10得点、6リバウンド、6アシストを記録。ターンオーバーはゼロだったものの、フィールドゴール成功率はわずか26.7%(4/15)と不発。にもかかわらず、1点リードで迎えた残り30秒、ショットクロックが18秒も残っていた場面で、パトリック・ベバリーがデイミアン・リラードを引きつけてスペースが空いた瞬間にプルアップジャンパーを放ち、相手ボールとなる軽率なプレーが話題となった。

 この時点でまだセンターコート付近にいたレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスは思わず両手を広げて「なんで?」とリアクションすれば、ベバリーも「どうして打ったんだ?」と言わんばかりの仕草を見せていた。

 その後、タイムアウト明けにリラードのディープスリーでブレイザーズが逆転し、ウエストブルックはベンチへ。レイカーズはレブロンのダンクで同点に持ち込むも、残り3秒にジェレミー・グラントのレイアップを許して2点差の惜敗を喫した。
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「彼はベンチプレーヤーになることを拒んだ。今のラスがその状況だと思う」