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「ファンはジャージーを燃やし、車もひっくり返っていた」元キャブズ戦士が語る12年前のレブロン退団劇「本当に暴動だ」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2022.12.06

元キャブズのギブソン(右)は、レブロン退団後のクリーブランドについて「街から火が消えたよう」と振り返った。(C)Getty Images

 レブロン・ジェームズはNBAでの20年間をクリーブランド・キャバリアーズで計11シーズン、マイアミ・ヒートで4シーズン、ロサンゼルス・レイカーズで5シーズン過ごしている。

 各フランチャイズで優勝(キャブズで1回、ヒートで2回、レイカーズで1回)を果たしているが、最も長く在籍して紆余曲折があったのは、やはり地元のキャブズ時代だろう。キャブズで同僚だったダニエル・ギブソンが、当時を振り返っている。

 2003年にドラフト全体1位指名でキャブズに入団したレブロンは、瞬く間にチームの絶対的エースへと昇り詰める。06年から5年連続でプレーオフに進出し、07年にはNBAファイナルに駒を進めるも、サンアントニオ・スパーズの前に4連敗とあっけなく敗退。キャブズでの7年間でリーグタイトルを手にできず、10年にフリーエージェントでヒートへと移籍した。

 米スポーツ専門局『ESPN』の特別番組『The Decision』でヒート行きを発表し、ドゥエイン・ウェイド、クリス・ボッシュとスリーキングスを形成。キャブズの英雄から一転、ファンがレブロンのユニフォームを燃やして批判を繰り広げるなど全米中の悪役となったのはあまりに有名な話だ。

 14年にキャブズに復帰し、16年にフランチャイズ史上初のリーグ優勝をもたらすことになるが、一度地元を去った過去は、キャリアを振り返るうえでは避けては通れない出来事だろう。

 2006-07シーズンから7年間キャブズに在籍したダニエル・ギブソンは『VLAD TV』のインタビューで、クリーブランドの人々は勤勉で、目の前にチャンスがあるにもかかわらず故郷を離れるというレブロンの決断を受け入れられなかったと語った。
 
「ファンはジャージーを燃やし、車もひっくり返っていた。もう、本当に暴動だよ。レブロンは地元(オハイオ州アクロン)出身で、それまで優勝経験がなかったクリーブランドは毎年チャンピンシップに勝つチャンスがあった。レブロンがいなくなってクリーブランドは街から火が消えたようなものだ。ビルに大きな壁画が描かれていたくらいの偉大な存在だからね」

 ギブソンは、当時チームとしてレブロンの退団は避けられなかったことだと考えているようだが、その後4シーズンにわたって勝率5割を下回り、プレーオフにも進出できなかった低迷期を踏まえると、理想的なシナリオではなかったとの見解を示している。

「ダン・ギルバートはリーグでもベストなオーナーの1人だと思う。彼は街にチャンピオンシップをもたらそうとした。戦力を補強し、スタジアム改修も視野に入れた。ただ、タイミングが真の正しい時ではなかったのかもね」

 16年のリーグ優勝が、傷ついたクリーブランドファンの心を癒すレブロンからのプレゼントになったのは間違いないが、10年の電撃退団劇は今後もずっと語られていくだろう。

構成●ダンクシュート編集部
 
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