今から30年前の1992年夏、バルセロナ五輪に臨んだアメリカ代表のバスケットボールチームは、史上初めてNBAの現役トッププレーヤーを送り込み、８戦全勝で金メダルを獲得した。

　“ドリームチーム”と称されたロスターには、マイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペン（ともに元シカゴ・ブルズほか）、マジック・ジョンソン（元ロサンゼルス・レイカーズ）、ラリー・バード（元ボストン・セルティックス）、チャールズ・バークレー（元フェニックス・サンズほか）、カール・マローン、ジョン・ストックトン（ともに元ユタ・ジャズ）、クライド・ドレクスラー（元ポートランド・トレイルブレイザーズほか）、パトリック・ユーイング（元ニューヨーク・ニックスほか）、デイビッド・ロビンソン（元サンアントニオ・スパーズ）といった超豪華なメンバーが名を連ねた。

　“地上最強”と謳われたドリームチームは、実際に全試合で100点ゲームを披露したのはもちろん、平均43.8点差をつけて他国を圧倒。だが大会前の練習試合で、学生相手にまさかの敗北を喫したという逸話がある。
  　オリンピックを迎える前の６月、ドリームチームはNCAAのカレッジプレーヤーたちを揃えたディベロップメントチームとエキシビションゲームを数試合こなしており、そこで学生チームが非公式ながら番狂わせを起こしたのである。

　この時、学生チームとして招聘されたのはデューク大のグラント・ヒル（元デトロイト・ピストンズほか）とボビー・ハーリー（元サクラメント・キングスほか）、メンフィス大のアンファニー“ペニー”ハーダウェイ（元オーランド・マジックほか）、テネシー大のアラン・ヒューストン（元ニックスほか）、ミシガン大のクリス・ウェバー（元キングスほか）、ケンタッキー大のジャマール・マッシュバーン（元ダラス・マーベリックスほか）、ウェイクフォレスト大のロドニー・ロジャース（元サンズほか）、ノースカロライナ大のエリック・モントロス（元セルティックスほか）といった面々。

　いずれものちにNBA入りしており、ヒルとウェバーはバスケットボール殿堂入りも果たしたレジェンドだが、単純比較すればドリームチームに分があるのは明らか。そんななか現地時間12月20日、ポッドキャスト番組『The Legends Lounge with Trill Withers』にゲスト出演したヒルが、当時の出来事を回想した。