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コビー・ブライアントの“練習の虫”ぶりをかつてのライバルが証言「彼に比べればみんな怠け者」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2022.12.25

アリナス(左)がかつて火花を散らしたコビー・ブライアント(右)について語った。(C)Getty Images

 現役時代にロサンゼルス・レイカーズ一筋でプレーし、殿堂入りを果たしているコビー・ブライアントは、常に最高の自分を追い求める"マンバ・メンタリティ"のもと、数々の輝かしい功績を残した。そのストイックさは時に味方も寄せ付けないほどだったが、元NBA選手のギルバート・アリナスは彼ほど努力した選手はいないと改めて敬意を示している。

 アレン・アイバーソンやレイ・アレン、スティーブ・ナッシュらと同じ"華の1996年ドラフト"でNBA入りしたコビーは、20年間のキャリアでリーグ優勝5回、シーズンMVP1回、ファイナルMVP2回、得点王2回、歴代4位の通算3万3643得点、オールNBA 1stチーム選出11回、オールディフェンシブ1stチーム選出9回、NBA75周年記念チーム選出など、獲得しうるすべてのタイトルを手にした。

 現役引退後の2020年1月に不慮のヘリコプター墜落事故で命を落とすことになったが、神様マイケル・ジョーダンの正統後継者として長年バスケットボール界を牽引。「常に最高の自分になろうと努力を続けること」「昨日よりもさらにいい自分になろうとし続けること」を追求し、そのマインドは"マンバ・メンタリティ"と呼ばれた。

 そんなコビーと激しく火花を散らした人物の1人であるアリナスは、NBAの舞台で計16回対戦している。コビー9勝(平均29.8点)、アリナス7勝(24.2点)だが、アリナスは2006年12月のレイカーズ戦でキャリアハイの60得点をマーク(同戦でコビーは45得点)。現在40歳となったスコアリングマシンは、自身がホストを務める『Fubo Sports』の番組『No Chill』で、周囲の選手を引き合いに出してコビーの凄みに触れている。
 
「偉大なるコビーと彼の仕事ぶりを見れば、どれだけ練習に打ち込んできたかわかるはずだ。彼に比べれば対戦したヤツらはみんな、怠け者ばかりだ。ただの怠け者だった。俺たちはフーパー(選手)としてそれを知っている。コビーは史上最高。そのほかの選手は怠け者だ。

 才能に恵まれていれば、平均20点かそこらはあげられるが、労働倫理がない。そういった選手を史上最高になるべきだと言っている人はいるかい?『俺はもう平均30得点をあげている。何が問題なんだい?』と言っている選手はいるか?コビーは『俺はセルフィッシュ(自己中心的)じゃない』と言っていた時、自分の能力を最大限生かしていないという意味ではセルフィッシュだった」

 ジョーダンやコビーはNBAの中でも"練習の虫"だったことで広く知られているが、チームスポーツのバスケットボールにおいては、それが逆に"孤高"だと捉えられることにもなったと、アリナスは明かしている。

「俺は午後1~3時からではなく、9時から午後5時までジムにいた。でも、それはセルフィッシュな人間になる。バスケットボールはスクールプロジェクトで、みんなで練習することが大事だとされるんだ」

 アリナスはそれほど、コビーの向上心が異次元だったと、自らの体験を持って主張していた。

構成●ダンクシュート編集部