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優勝を逃して傷心中のテイタムを励まし、助言を与えた“意外な人物”とは「僕らは長い時間話し合った」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.12.26

昨季ファイナル直後、テイタム(右)を励ましたのは意外にもグリーン(左)だったという。(C)Getty Images

 現地時間12月25日、ボストン・セルティックスはホームのTDガーデンでミルウォーキー・バックスと激突。イースタン・カンファレンスの首位を争うライバルとのクリスマスゲームを139-118で制した。

 この試合、セルティックスのエース、ジェイソン・テイタムは41得点と大爆発。今季はここまでキャリアハイの平均30.9点に8.1リバウンド、4.1アシスト、1.2スティールと自己ベストのシーズンを送っており、MVPの筆頭候補にも挙がっている。

 そんなテイタムも、昨季ファイナルでゴールデンステイト・ウォリアーズに敗れたあとはかなり傷心していた。家族やチームメイト、ブラッド・スティーブンスGM(ゼネラルマネージャー)が彼を励ましたなか、意外な人物もテイタムに手を差し伸べていたという。

 それは、セルティックスを破ったウォリアーズのドレイモンド・グリーン。テイタムは23日に公開された米スポーツ専門局『ESPN』の記事のなかで、ファイナル直後の仇敵とのやり取りをこう振り返った。
 
「僕に対して親身になってくれた1人で、僕らは長い時間をかけて話し合ったんだ。彼は(負かしたことなどについて)とやかく言うことはなく、ファイナルや人生、あとは彼の結婚についても語ったんだ。

 彼は、なんというか、『いいか。お前がファイナルへ辿り着いたこと、誰よりもプレーしてきたことを連中は気づいていない。それで敗れたんだから、喜ぶ必要なんてないのさ』って感じだった」

 そしてグリーンは、新シーズンに向けたトレーニングキャンプが始まった9月下旬にも、テイタムに助言をしてきたという。

「彼はトレーニングキャンプ開始の時点で、強調して言ってきたんだ。『あの場所へ戻れるんだと考えてはいけない』とね。『(昨季とは)違うものになる。完全に終わったものとして、新たに始めないといけないんだ』と。僕らは"なにもかも簡単にはいかないんだ"ということに備えなきゃいけない。あそこ(ファイナル)へ戻れるという保証なんてどこにもないんだから」
 
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昨季ファイナル後に「マインドセットが変わった」とテイタム