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八村塁を放出したウィザーズ。昨季在籍選手が「勝つためにプレーしていない」と痛烈批判<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.01.27

八村を放出したウィザーズ。同じくシーズン中のトレードを断行した昨季は振るわなかったが、今季は果たして。(C)Getty Images

 現地時間1月23日、ワシントン・ウィザーズは八村塁をロサンゼルス・レイカーズへ放出し、その見返りとしてケンドリック・ナンと将来のドラフト2巡目指名権3つを獲得した。

 2019年のドラフト全体9位でウィザーズから指名された八村は、ブラッドリー・ビール(11年目)に次ぐ在籍4年目の古株で、今季はチーム4位の平均13.0点を残していたが、フロント陣は今夏に制限付きフリーエージェント(FA)となる24歳のフォワードと決別する判断を下した。

 ウィザーズが新たに獲得した27歳のナンは、191cm・86kgのガードで、今季終了後に完全FAとなる。キャリア最初の2シーズンをマイアミ・ヒートでプレーし、初年度の2020年にはNBAファイナルに進出した経験を持つ。

 新天地デビューとなった25日のヒューストン・ロケッツ戦。ナンはベンチスタートで22分3秒コートに立ち、フィールドゴール9本中5本成功の12得点に4リバウンド、4アシスト、2スティールで勝利に貢献。

 ウェス・アンセルドJr.HC(ヘッドコーチ)は、「良かったと思う」と新戦力を評価し、今後の期待も語っている。

「まだフルの練習ができていないなかでコートへ送り出すことになったから、タフなことだったのは分かっている。だが彼は強さを生かしてプレーしていた。彼はピック&ロールからプレーを展開し、点も取れる。それにディフェンス面でも貢献が期待できる」
 
 ナンも初戦を終えて、「すごく快適に感じているよ。ここでしばらくプレーしてきたような気がするくらいにね。このチームの皆は僕のことを喜んで受け入れてくれた。自分らしくいるんだと言ってくれたんだ」と好感触を得ていた。

 そんななか、昨季に半シーズンだけウィザーズでプレーしたスペンサー・ディンウィディー(現ダラス・マーベリックス)が、古巣に対して苦言を呈する一幕もあった。ディンウィディーは2021年夏の5チーム間トレードでブルックリン・ネッツからウィザーズへ加入。しかし本来の実力を発揮できず、同シーズン中に現在のマブズへトレードで放出されていた。

「彼ら(ウィザーズ)は何のためにプレーしているのか分からないね。もうショーケースだ。お金をもらうためにプレーしている。バスケットボールの試合に勝つためにプレーしようとしていないのさ」

 マブズは24日のウィザーズ戦を126-127で落としたこともあり、ディンウィディーは悔しさもあったのだろう。それも含め、約半年間の在籍に終わった古巣に対して、ネガティブな感情を抱いているのは間違いなさそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
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