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「オールスター入りは考えもしなかった」ジャズで才能を開花させたマルッカネン「勝利のために何でもやりたかった」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.02.04

25歳のマルッカネンは今季加入したジャズで大ブレイクを果たした。(C)Getty Images

 現地時間2月2日、NBAは今月19日にユタで開催されるオールスターゲームのリザーブメンバーを発表。各チームのヘッドコーチによる投票の結果、ユタ・ジャズのラウリー・マルッカネンがウエスタン・カンファレンスのリザーブとして初のオールスター入りを飾った。

 2017年のドラフト1巡目全体7位でミネソタ・ティンバーウルブズから指名後、トレードでシカゴ・ブルズへ移籍した213㎝・108㎏の大型フォワードは、ブルズで4シーズンをプレーし、昨季はクリーブランド・キャバリアーズで平均14.8点、5.7リバウンド、1.3アシストという成績を残した。

 だがキャブズは昨年9月にコリン・セクストン、オチャイ・アバジ、複数のドラフト指名権とともにマルッカネンをジャズへ放出し、ドノバン・ミッチェルを獲得。

 ジャレット・アレン(211㎝)、エバン・モーブリー(213㎝)との"トールボール"でも機能していただけに、少々意外ではあったものの、マルッカネンは昨夏のFIBAユーロバスケット2022で選手として大きな自信を手にしていた。

 フィンランド代表のエースとして臨んだユーロバスケで、マルッカネンは母国を7位へと導き、大会2位の平均27.9点に8.1リバウンド、2.4アシスト、1.6スティール、フィールドゴール成功率54.2%、3ポイント成功率40.5%と大暴れ。

 NBA開幕前に25歳のビッグマンは「今シーズン、僕には高いレベルで自信がみなぎっていた。特に夏を終えた後にね」と『The Athletic』へ明かしたとおり、かつてない手応えがあった。
 
 そしてマルッカネンは開幕から新天地で攻撃のファーストオプションの座を勝ち取り、持ち前のシュート力を存分に発揮。昨年10月から毎月平均20点以上を叩き出し、1月5日のヒューストン・ロケッツ戦ではキャリアハイの49得点を奪ってみせた。

 ここまで49試合の出場で平均24.9点、8.7リバウンド、1.7アシスト、フィールドゴール成功率51.8%、3ポイント成功率42.9%(平均3.1本成功)、フリースロー成功率87.4%の数字を残すマルッカネンは次のように語る。

「具体的に、ゴールの一つとしてオールスター入りすることを書き留めていたわけではなかった。けど着実に成長していきたかったし、目の前のことへ完全に集中したかったんだ」

 開幕13試合で10勝3敗の好スタートを切り、一時はウエスト首位に立ったジャズだが、そこから黒星先行となり、3日終了時点でウエスト8位の27勝27敗(勝率50.0%)。それでもシーズン前の低評価を考えると上出来の戦績だろう。

「勝利をたくさん手にするために必要とされることは何でもやりたかったし、それをこのチームで築き上げたかった。だから、オールスター入りは本当に考えもしなかったんだ。でも僕はここへ来た時点ですでに戦う準備ができていたし、毎日やってやるという気持ちでいたんだ」(マルッカネン)

 ジャズのエースは地元開催のオールスターを楽しみ、レギュラーシーズン終盤は自身初のプレーオフ出場を目指してコート上で戦い抜いてほしい限りだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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