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NBA

カーメロの復活を支えた33歳の超人気トレーナー、クリス・ブリックリーがNBA選手から引く手あまたな理由

杉浦大介

2019.12.05

ブリックリーは早くから指導者としての才能を発揮し、現在は約60人のNBA選手をクライアントとして抱える超人気トレーナーとなった。(C)Getty Images

ブリックリーは早くから指導者としての才能を発揮し、現在は約60人のNBA選手をクライアントとして抱える超人気トレーナーとなった。(C)Getty Images

 スポーツブランドとの契約はスター選手のバロメーターのひとつだが、今年の2月、トレーナーとしては初めて複数年のシューズ契約を結んだ人物がいる。ニューヨークに本拠を置く若手トレーナーのクリス・ブリックリーがプーマと契約したのだ。

「僕はタトゥーを入れているし、ジュエリーも身につけている。かしこまった典型的なコーチとは違うけど、それでいいと思っているんだ」

 本人の言葉通り、ブリックリーは一見するとボールボーイと見紛う風貌。そんな33歳の若者が、カーメロ・アンソニーやCJ・マッカラム、ドノバン・ミッチェルなど、約60人のNBA選手をクライアントとして抱える超人気トレーナーとなったのだ。

 ニューハンプシャー出身のブリックリーは、現役時代はノースイースタン大とルイビル大でプレーした。名門ルイビル大での2年間で出場時間は31分に終わり、卒業後は指導者を志す。ディビジョンⅠで全米最年少となる25歳でフェアリー・ディッキンソン大のアシスタントコーチに就任するなど、早くから指導者として才能を発揮した。
 
 個人トレーナーとしての活動にも力を入れるようになったブリックリーは、カレッジ時代の同僚で親友のクリス・スミスの兄、JR・スミスをコーチ。指導力の高さを実感したスミスが当時在籍していたニューヨーク・ニックスに推薦するとインターンとして採用され、13年には選手育成コーチに昇格する。ここでカーメロと出会い、信頼を勝ち取ったことが転機となった。

 彼を最も有名にしたのは、カーメロらと一緒に始めた“Black Ops Basketball”だろう。2017年のオフ、カーメロ、ジェームズ・ハーデン、ラッセル・ウエストブルック、クリス・ポールといったそうそうたるメンバーがニューヨークに集まってピックアップゲームをこなした。話題が話題を呼び、レブロン・ジェームズやカワイ・レナードなども参加。

 ブリックリーという名前にピンとこなくとも、過去3年のオフ、マンハッタンのクールなジムで開催されてきたピックアップゲームの主催者だと聞けば合点が行く人も多いのではないだろうか。ここでのゲームの模様をブリックリーは自身のソーシャルメディアに投稿し、特にインスタグラムは約80万人ものフォロワーを持つに至ったのである。

「“Black Ops Basketball”での様子をソーシャルメディアに投稿していなかったら、プーマとの契約はあり得なかった。他の選手たちとも知り合えていなかったかもしれない」
 

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