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八村塁はプレーオフ初戦でなぜ大活躍できたか? コーチと励んだシュート練習と“豪快ダンク”の裏話<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.04.17

八村が豪快ダンクを叩き込んだ背景には、チームメイトからの“挑発”があったようだ。(C)Getty Images

 現地時間4月16日、ロサンゼルス・レイカーズは敵地フェデックス・フォーラムでメンフィス・グリズリーズと激突。128-112で勝利を収め、プレーオフ・ファーストラウンドの初戦を白星で飾った。

 この試合、"日本の至宝"八村塁が大爆発。ベンチスタートからキャリアハイとなる5本の3ポイントを沈め、プレーオフ自己最多の29得点を奪取。とりわけ後半だけで21得点を叩き出し、勝利の立役者となった。

 第7シードのレイカーズが、第2シードのグリズリーズを相手にシリーズ初戦を取ることができたのは、八村のおかげと言っても過言ではない。そんな背番号28は、ポストシーズンに向けてフィル・ハンディAC(アシスタントコーチ)の下、必要とされるショットの練習に励んできた。

 ブランドン・クラーク、スティーブン・アダムズという2人の主要ビッグマンを欠くグリズリーズは、ブロッカー(208cm)のジャレン・ジャクソンJr.の周囲をジャ・モラント、デズモンド・ベイン、タイアス・ジョーンズ、ディロン・ブルックスというペリメーター・プレーヤーが囲むスモールラインナップを敷いていた。そのなかで、第4クォーターに八村は左ミッドポストからパワードリブルでベインを押し込み、ターンアラウンドから綺麗なジャンパーをヒット。
 
「相手が僕に対してああやってガードしてきたので。ペイントでああいうショットを打つ準備はできていました」(八村)

 また、第4クォーター序盤にはドライブでゴール下へ飛び込み、ジャクソンJr.のブロックの上から豪快なダンクを叩き込んだ。このプレーについて本人は「数日前にチームメイトから『お前のダンクはイマイチだ』と言われ、昨日、YouTubeでハイライトを見せたんですが、気に入ってくれませんでした。なので、彼らにこのシリーズ中に絶対決めてやると言っていたんです。それで今日、早速決めることができました」と明かした。

 八村の大活躍で大事な初戦を制したレイカーズだが、シリーズはまだ始まったばかり。優勝した2020年以来のカンファレンス準決勝に駒を進めるには、あと3勝をあげる必要がある。

 八村がステップアップした分だけ、レイカーズが優勝に近づくのは間違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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