現地時間5月1日(日本時間2日)に初戦を迎えたフィラデルフィア・セブンティシクサーズとボストン・セルティックスによるイースタン・カンファレンス・セミファイナルは、シクサーズが119-115で勝利。
この試合、シクサーズは今季平均33.1点、10.2リバウンド、4.2アシスト、1.70ブロックを残したジョエル・エンビードが右ヒザの外側側副靭帯捻挫で不在ながら、同点14度にリードチェンジ16度という激戦を制した。
シクサーズ勝利の立役者となったのがジェームズ・ハーデンだ。45得点に6アシスト、2スティールでチームを牽引した男は「俺はゾーンに入ったと感じたりはしなかった。バスケットボールをシュートして、アグレッシブになろうとしただけ。俺がやりたいことをやったまでさ」と振り返った。
第4クォーター残り約2分で4点ビハインドを背負っていたシクサーズは、タイリース・マキシーがハーデンのアシストから3ポイントプレーで応戦。アル・ホーフォードのレイアップで3点差とされるも、ポール・リードのフリースロー、マルコム・ブログドンのパスミスからマキシーがレイアップを決めて残り28秒に1点をリードする。
その後、ジェイソン・テイタムのフリースローでセルティックスに再びリードを奪われたシクサーズだが、直後にハーデンがホーフォード相手にトップから値千金のスリーを決め、最終的にこれが決勝弾となった。
「本当にいい気分だ。俺に何ができるかは十分わかっている。だからいい感じだった。ショットを決めて、自分たちに(勝利する)チャンスを与えるのはいいことさ」(ハーデン)
シクサーズはハーデンのほか、マキシーが26得点、4スティール、トバイアス・ハリスが18得点、ディアンソニー・メルトンが17得点、2ブロック、エンビードに代わって先発入りしたリードが10得点、13リバウンドを奪った。
36分37秒の出場で無得点ながら5リバウンド、1アシスト、2スティールと自らの役割に徹したPJ・タッカーはこう話す。
「俺たちはビッグフェラ(エンビード)なしでプレーすることにプライドを持っている。彼がいれば同じくらい良いことだけど、彼がいないことによって(ほかの誰かが)ステップアップする機会になる。ジェームズが自らの仕事をこなし、タイリースはジョー(エンビード)がいないと本当にいいプレーをする。そして、彼がいないことでみんながそれぞれ少しずつステップアップする。俺たちにとって、それはプライドのようなものなのさ」
今季のシクサーズはイースタン・カンファレンス3位の54勝28敗(勝率65.9%)という好成績を残したが、エンビード不在の16試合も11勝5敗(同68.8%)と勝ち越しに成功した。
それはハーデンやマキシー、ハリスといった周囲の選手が奮起したからであり、プレーオフでエンビードが欠場しようと、チームは戦い方をシーズン中から入念に練ってきたということだろう。
「シーズンを通して、人々は俺に得点を量産するジェームズ・ハーデンを期待するが、俺が40、50得点すると『いや、それでは勝てない』と言ってくる。で、俺が20得点、11アシストすると、今度は『もはや彼はかつてのジェームズ・ハーデンではない』と言ってくる」
初戦後に外野からの評価に対する苦悩を漏らしたハーデンにとって、この日プレーオフキャリアハイタイの得点を奪い、シクサーズを勝利へ導いたことは格別な思いだったのかもしれない。
文●秋山裕之(フリーライター)
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この試合、シクサーズは今季平均33.1点、10.2リバウンド、4.2アシスト、1.70ブロックを残したジョエル・エンビードが右ヒザの外側側副靭帯捻挫で不在ながら、同点14度にリードチェンジ16度という激戦を制した。
シクサーズ勝利の立役者となったのがジェームズ・ハーデンだ。45得点に6アシスト、2スティールでチームを牽引した男は「俺はゾーンに入ったと感じたりはしなかった。バスケットボールをシュートして、アグレッシブになろうとしただけ。俺がやりたいことをやったまでさ」と振り返った。
第4クォーター残り約2分で4点ビハインドを背負っていたシクサーズは、タイリース・マキシーがハーデンのアシストから3ポイントプレーで応戦。アル・ホーフォードのレイアップで3点差とされるも、ポール・リードのフリースロー、マルコム・ブログドンのパスミスからマキシーがレイアップを決めて残り28秒に1点をリードする。
その後、ジェイソン・テイタムのフリースローでセルティックスに再びリードを奪われたシクサーズだが、直後にハーデンがホーフォード相手にトップから値千金のスリーを決め、最終的にこれが決勝弾となった。
「本当にいい気分だ。俺に何ができるかは十分わかっている。だからいい感じだった。ショットを決めて、自分たちに(勝利する)チャンスを与えるのはいいことさ」(ハーデン)
シクサーズはハーデンのほか、マキシーが26得点、4スティール、トバイアス・ハリスが18得点、ディアンソニー・メルトンが17得点、2ブロック、エンビードに代わって先発入りしたリードが10得点、13リバウンドを奪った。
36分37秒の出場で無得点ながら5リバウンド、1アシスト、2スティールと自らの役割に徹したPJ・タッカーはこう話す。
「俺たちはビッグフェラ(エンビード)なしでプレーすることにプライドを持っている。彼がいれば同じくらい良いことだけど、彼がいないことによって(ほかの誰かが)ステップアップする機会になる。ジェームズが自らの仕事をこなし、タイリースはジョー(エンビード)がいないと本当にいいプレーをする。そして、彼がいないことでみんながそれぞれ少しずつステップアップする。俺たちにとって、それはプライドのようなものなのさ」
今季のシクサーズはイースタン・カンファレンス3位の54勝28敗(勝率65.9%)という好成績を残したが、エンビード不在の16試合も11勝5敗(同68.8%)と勝ち越しに成功した。
それはハーデンやマキシー、ハリスといった周囲の選手が奮起したからであり、プレーオフでエンビードが欠場しようと、チームは戦い方をシーズン中から入念に練ってきたということだろう。
「シーズンを通して、人々は俺に得点を量産するジェームズ・ハーデンを期待するが、俺が40、50得点すると『いや、それでは勝てない』と言ってくる。で、俺が20得点、11アシストすると、今度は『もはや彼はかつてのジェームズ・ハーデンではない』と言ってくる」
初戦後に外野からの評価に対する苦悩を漏らしたハーデンにとって、この日プレーオフキャリアハイタイの得点を奪い、シクサーズを勝利へ導いたことは格別な思いだったのかもしれない。
文●秋山裕之(フリーライター)
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