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“失敗”を認めないヤニスにシャックが現実を突きつける「第8シードに負けて『失敗ではない』なんて言えない」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2023.05.11

1回戦負けでシーズンを終えたヤニスの「失敗はない」発言に、ご意見番のシャックが嚙みついた。(C)Getty Images

 2022-23シーズンのNBAはプレーオフの真っ只中だが、イースタン・カンファレンス第1シードのミルウォーキー・バックスの姿はすでにない。1回戦で第8シードのマイアミ・ヒートに敗れ、まさかのシーズン終了となったなか、現役時代に怪物センターとして鳴らしたシャキール・オニール(シャック)は、「失敗」と認めないエースのヤニス・アデトクンボに現実を突き付けている。

 ヤニスは2019、20年に史上12人目となる2年連続のシーズンMVPに輝き、NBA7年目の20-21シーズンには念願のリーグ優勝&ファイナルMVPを達成。4年連続でオールNBA1stチームとオールディフェンシブ1stチーム選出、7年連続オールスター選出、NBA75周年記念チームにも選ばれるなど、現代のリーグを代表するスーパースターだ。

 今季もレギュラーシーズン63試合に出場してリーグ5位の平均31.1点、3位タイの11.8リバウンド、5.7アシストを記録。リーグ最高勝率(58勝24敗/勝率70.7%)でイーストの第1シードを獲得したが、プレーオフ1回戦初戦で腰を負傷して続く2試合を欠場した。第4戦で復帰して26得点、第5戦は38得点をあげるも、チームはシリーズ1勝4敗で屈し、第1シードが第8シードに敗れる史上6例目のアップセットを食らった。

 シリーズ敗退決定後の記者会見、「今シーズンは失敗だと思うか?」と記者からストレートな質問をぶつけられたヤニスは、「それは間違った質問だ」と語気を強めて主張した。
 
「スポーツにおいて失敗はない。良い日もあれば、悪い日もあるだけだ。ある時は上手くいくし、そうでない日もある。いつも勝者にはなれない。今年はほかのチームが勝つ時だったんだ。毎年、目標に向かったトレーニングに励んでいる。このステップこそが成功だ。

 マイケル・ジョーダンは15年プレーして、6回チャンピオンになった。ほかの9年間は失敗だったと言うのかい? みんな違った方法で、この結果に対処する。ただ、僕はこの負けを忘れることはない。もう2度と、このような状況を経験したくはない。ただ、これはバスケットボールであり、こういうことも再び起こるだろう」

 歴代で最も支配的なセンターと言われ、現在は辛口批評で人気を博すシャックは、自身のポッドキャスト『The Big Podcast with Shaq』で、失敗のレッテルを拒んだヤニスに関して、「ベストと謳われれば勝つことを期待され、勝てなければ失敗なんだ」と反論した。

「彼は2年前(2021年)に優勝している。優勝したら何を期待されるか。2連覇だ。再び優勝することが求められる。(21-22シーズンは)カンファレンス準決勝で敗れたが、彼らは復習に燃えて戻ってきた。

 彼らは第1シードなんだ。そして第8シードに負けた。第8シードに負けて『失敗ではない』なんて言えない。それは失敗だ。『失敗』という言葉を聞くと、世間的には否定的な意見が多く、人々はどん底まで落ちてしまう。でも、偉人たちは失敗してきたということを理解する必要がある。彼らはこのスポーツのビジネスにおいて、失敗を楽しんでいるんだ」

 28歳とバスケ選手として絶頂期にあるヤニス。今季の悔しさを糧に、11年目の来季にどのような活躍を見せてくれるだろうか。

構成●ダンクシュート編集部

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