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戦力アップに成功したレイカーズの残る補強ポイントは?首脳陣は「もう1人ビッグマンを加えるべく、動いている」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.07.11

ウッドは206㎝と長身ながら3ポイントも打てるため、攻撃面でレブロン&デイビスの負担軽減が期待できる。(C)Getty Images

 昨季、ロサンゼルス・レイカーズは2年ぶりにプレーオフへ進出し、1回戦で第2シードのメンフィス・グリズリーズを4勝2敗、カンファレンス準決勝では前年王者のゴールデンステイト・ウォリアーズを4勝2敗で撃破した。

 カンファレンス決勝で、のちにチャンピオンになるデンバー・ナゲッツにスウィープ負け(4連敗)を喫したものの、オールスター後からプレーオフにかけての快進撃は見事だった。

 今夏には、控えガードのデニス・シュルーダー(トロント・ラプターズと契約)、身体能力の高いロニー・ウォーカー四世(ブルックリン・ネッツと契約)、シューターのマリーク・ビーズリー(ミルウォーキー・バックスと契約)、ウイングのトロイ・ブラウンJr.(ミネソタ・ティンバーウルブズと契約)が退団するも、先発ガードのディアンジェロ・ラッセル、オースティン・リーブス、フォワードの八村塁と再契約を締結。

 さらに、FA(フリーエージェント)市場でマイアミ・ヒートのファイナル進出に貢献したガードのゲイブ・ヴィンセント、23歳と伸びしろのあるスウィングマンのキャム・レディッシュ、3&Dとして計算できるトーリアン・プリンス、アスレティックビッグマンのジャクソン・ヘイズの獲得に成功した。

 このチームの中心はレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスのオールスター2人だが、82試合という長いレギュラーシーズンを乗り越えるには彼ら以外の選手の奮闘が不可欠だ。

 オフの補強が一段落した7月9日(日本時間10日)、レイカーズバスケットボール運営部副代表兼GM(ゼネラルマネージャー)のロブ・ペリンカは、新加入のヘイズについて次のように語っていた。
 
「ドワイト・ハワードのように見ている。大きな身体を持ち、リムプロテクター、そして動けるビッグマンとしてね」

 ヘイズは213㎝・100㎏というサイズに機動力も兼備する23歳。2019年のドラフト9位で指名された逸材が、20年の優勝に貢献したハワードのような働きができれば、レイカーズにとって貴重な戦力となるはずだ。

 現時点でフロントコートにはレブロン、デイビス、八村、ジャレッド・ヴァンダービルト、ヘイズがいるが、昨季在籍したウェニエン・ガブリエルとトリスタン・トンプソンはFAで、ロスターは本契約の15選手が決まったわけではない。

 ペリンカGMは「もう1人のビッグマンを加えるべく、積極的に動いている。そのポジションで豊富なスキルを具現化していることが重要になる」と話していることから、おそらく本命はクリスチャン・ウッドだろう。

 206㎝・97㎏のサイズを持つウッドは、キャリア7年目を終えた27歳のビッグマン。昨季はダラス・マーベリックスで67試合に出場し、平均16.6点、7.3リバウンド、1.8アシスト、1.1ブロックを残しており、3ポイント成功率37.6%(平均1.6本成功)と、アウトサイドショットも沈めることができる。

 完全FAのため、ウッドが低年俸で契約するかどうかは微妙だが、レイカーズではレブロン&デイビスとプレーできる機会、そして優勝を狙えるチャンスがある。もしこの男が"パープル&ゴールド"の仲間入りとなれば、フロントコートの選手層はリーグ最高級の厚みを持つことになりそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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