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渡邊雄太が連日のクリニックで示した“日本バスケ界への想い”。NBA関係者も感銘「彼のような人物がいることはとても幸運」<DUNKSHOOT>

永塚和志

2023.07.16

前日に続くクリニックで子どもたちと触れ合った渡邊。帰国直後から精力的に活動し、後進の育成に努めている。写真:永塚和志

 ユース選手を対象としたNBAのバスケットボール普及活動「Jr. NBA Powered by B.LEAGUE Basketball clinic in JAPAN」が16日、トヨタ府中スポーツセンターで開催され、今夏、フェニックス・サンズと契約を結んだ渡邊雄太も参加した。

 イベントはトヨタが開発したAIバスケットボールロボット「CUE6」のロングショットデモンストレーションによって開幕すると、13歳から15歳の男女100名の参加者(Bリーグユースチーム所属)が、楽しむことと身体を動かすことに主眼を置いたドリルなどに取り組んだ。

 NBAアジア・バスケットボールオペレーションズ副社長で、アジア太平洋地域の各国でJr. NBAプログラムをコーチとして執り行なっているカルロス・バロカ氏の情熱的な指導で子どもたちの身体も心も温まると、満を持して渡邊が登場した。

 そこからは彼も混ざってのクリニックとなったが、前日の自身主催の高校生向けクリニックに続き、笑顔を見せながら精力的に子どもたちとコート上での交流を楽しんだ。
 
 その後は質疑応答へと移行。参加者からは渡邊が小学生の頃に父と取り組んでいた電柱へ向けてのシュート練習はまだやっているのか、プレーがうまくいっていない時にはどうしているのか、試合前のルーティンは何か、といった子どもならではの純粋な質問が投げかけられたが、それに対して渡邊は丁寧かつ真摯に答えていた。

「今日も見ていて思ったのはみんな元気で、楽しそうにバスケットをやっていると感じました。自分もNBAで調子が悪い時はバスケットを楽しめていないこともあります。だから昨日、今日と僕のほうが子どもたちから教えてもらいましたし、これからもいい顏でバスケットをしていきたいなと思います」

 メディアとの取材対応で、渡邊はそうイベントを振り返った。

 もちろん、渡邊との交流は子どもたちにとっても貴重な経験となった。Bリーグのアルバルク東京U15チームに所属する大倉拓実君は「NBA選手には普段、なかなか会えないというなかで一緒にプレーをしたことで多くのことを得ることができました」と満足げだった。
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「(NBAアジアにとって)渡邊選手はこれ以上ない人物」