2022-23シーズンのNBAはデンバー・ナゲッツのフランチャイズ初優勝で幕を閉じた。
チームをチャンピオンシップへ導く立役者となったのが、センターのニコラ・ヨキッチ。セルビア出身の28歳は、得点・リバウンド・アシストをすべてハイレベルでこなし、レギュラーシーズンにおけるトリプルダブル達成数はNBA歴代6位の105回。プレーオフでも歴代3位の16回を記録し、昨プレーオフでは平均30.0点、13.5リバウンド、9.5アシスト、1.1スティール、1.0ブロックという驚異的なスタッツを残してみせた。
現代にはレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)やクリス・ポール(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ジェームズ・ハーデン(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、タイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)やトレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)、ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)といった名パサーがいるが、ヨキッチもリーグ有数のパサーとして知られる。
ただ、ボストン・セルティックスのエースとして長年活躍してきたポール・ピアース(元セルティックスほか)の見解は違うようだ。7月17日(日本時間18日、日付は以下同)にYouTubeへ公開された『SHOWTIME Basketball』の番組内で、レイチェル・ニコルズはヨキッチがマジック・ジョンソン(元レイカーズ)に次いでNBA歴代2位のパサーと評していたが、レジェンドはその意見を一刀両断した。
「パサーとして見るなら、俺のなかでジョーカー(ヨキッチ)はトップ5にも入らない。ビッグマンだからだ。彼はベストなビッグマンではある。だが生粋のパサーについて話すなら、マジックやホワイトチョコレートことジェイソン・ウィリアムズ、(ラジョン)ロンド、ピート・マラビッチ、ラリー・バードを出さなきゃいけない。ジョーカーは凄いが、生粋のスペシャルなパサーであれば、(ジェイソン)キッドについて話すべきだ」
マジックはレギュラーシーズン平均11.2本、プレーオフでも平均12.4本と、いずれもNBA歴代トップを誇るレジェンドで、歴代最高のパサーの名にふさわしい存在だ。
ただ一方で、ウィリアムズはピアースと同じく1998年のドラフト同期、ロンドはセルティックス時代の同僚で、バードはセルティックスを代表するスーパースター。華のあるプレーの数々で会場を沸かせたマラビッチを除くと、自身と親しい人選と思われても仕方ない。
もっとも、パサーと言っても、単にアシスト数で限定するのではなく、試合中のプレーでファンに強烈なインパクトを残してきた選手たちが数多くいるのも事実。
現にウィリアムズはエルボーパスや味方さえも欺いてしまうようなパスを繰り出し、ロンドもチームメイトの位置を正確に頭に叩き込み、変幻自在のパスでチャンスを演出。マラビッチ、バードも独創的なアシストで多くのハイライトシーンを作り出してきた。
近年はマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)、レブロン(レイカーズ)を筆頭とした、“GOAT(史上最高の選手)”論が話題となっているが、“史上最高のパサー”論も興味深いテーマと言えそうだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
NBA界にも広まる大谷翔平の“唯一無二”のインパクト。ヨキッチらとの比較論が白熱「カリーとアキームを足したようなもの」<DUNKSHOOT>
チームをチャンピオンシップへ導く立役者となったのが、センターのニコラ・ヨキッチ。セルビア出身の28歳は、得点・リバウンド・アシストをすべてハイレベルでこなし、レギュラーシーズンにおけるトリプルダブル達成数はNBA歴代6位の105回。プレーオフでも歴代3位の16回を記録し、昨プレーオフでは平均30.0点、13.5リバウンド、9.5アシスト、1.1スティール、1.0ブロックという驚異的なスタッツを残してみせた。
現代にはレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)やクリス・ポール(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ジェームズ・ハーデン(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、タイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)やトレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)、ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)といった名パサーがいるが、ヨキッチもリーグ有数のパサーとして知られる。
ただ、ボストン・セルティックスのエースとして長年活躍してきたポール・ピアース(元セルティックスほか)の見解は違うようだ。7月17日(日本時間18日、日付は以下同)にYouTubeへ公開された『SHOWTIME Basketball』の番組内で、レイチェル・ニコルズはヨキッチがマジック・ジョンソン(元レイカーズ)に次いでNBA歴代2位のパサーと評していたが、レジェンドはその意見を一刀両断した。
「パサーとして見るなら、俺のなかでジョーカー(ヨキッチ)はトップ5にも入らない。ビッグマンだからだ。彼はベストなビッグマンではある。だが生粋のパサーについて話すなら、マジックやホワイトチョコレートことジェイソン・ウィリアムズ、(ラジョン)ロンド、ピート・マラビッチ、ラリー・バードを出さなきゃいけない。ジョーカーは凄いが、生粋のスペシャルなパサーであれば、(ジェイソン)キッドについて話すべきだ」
マジックはレギュラーシーズン平均11.2本、プレーオフでも平均12.4本と、いずれもNBA歴代トップを誇るレジェンドで、歴代最高のパサーの名にふさわしい存在だ。
ただ一方で、ウィリアムズはピアースと同じく1998年のドラフト同期、ロンドはセルティックス時代の同僚で、バードはセルティックスを代表するスーパースター。華のあるプレーの数々で会場を沸かせたマラビッチを除くと、自身と親しい人選と思われても仕方ない。
もっとも、パサーと言っても、単にアシスト数で限定するのではなく、試合中のプレーでファンに強烈なインパクトを残してきた選手たちが数多くいるのも事実。
現にウィリアムズはエルボーパスや味方さえも欺いてしまうようなパスを繰り出し、ロンドもチームメイトの位置を正確に頭に叩き込み、変幻自在のパスでチャンスを演出。マラビッチ、バードも独創的なアシストで多くのハイライトシーンを作り出してきた。
近年はマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)、レブロン(レイカーズ)を筆頭とした、“GOAT(史上最高の選手)”論が話題となっているが、“史上最高のパサー”論も興味深いテーマと言えそうだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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