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NBA

「人々はいまだにバカにしてくる」JR・スミスが2018年ファイナルの“凡ミス”を回想「逃げ出したくはない。でも辛いよ」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2023.07.22

2018年のファイナル初戦、キャブズは勝利のチャンスがあったが終盤にスミス(右)が世紀の凡ミス。このプレーにエースのレブロン(左)は激怒した。(C)Getty Images

2018年のファイナル初戦、キャブズは勝利のチャンスがあったが終盤にスミス(右)が世紀の凡ミス。このプレーにエースのレブロン(左)は激怒した。(C)Getty Images

 NBAで16年間プレーしたJR・スミスは、短時間で得点を量産する爆発力と意外性のあるプレーで、ロールプレーヤーとして活躍した。リーグ優勝も2回経験しているが、2018年NBAファイナルでのワンプレーが今でも尾を引いているという。

 ドワイト・ハワードやアンドレ・イグダーラがいた04年のドラフト全体18位でニューオリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)から指名を受け、NBA入りしたスミス。

 キャリア通算977試合で平均12.4点、通算3ポイント成功率37.3%、通算3ポイント成功数1930本(歴代19位)と決してスター選手ではなかったが、デンバー・ナゲッツ時代はアレン・アイバーソンとカーメロ・アンソニー、ニューヨーク・ニックス時代は再びカーメロ、クリーブランド・キャバリアーズ時代はレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)とカイリー・アービング(現ダラス・マーベリックス)、レイカーズ時代にはレブロンとアンソニー・デイビスといったビッグネームたちと共闘し、存在感を示した。

 13年に最優秀シックスマン賞に輝き、16年、20年にリーグ優勝を経験しているスミスだが、キャブズに在籍していた18年のNBAファイナル第1戦のプレーはネガティブな記憶として残っているようだ。

 ゴールデンステイト・ウォリアーズ相手に106-107と1点を追っていたキャブズは、第4クォーター残り4.7秒にフリースローを獲得。ベテランのジョージ・ヒルが落ち着いて1本目を沈めて同点とする。ヒルは2本目をミスしたが、スミスがオフェンシブ・リバウンドを奪い、キャブズが勝負を決めるチャンスを手にした。
 
 ところが、スミスはチームがリードしていると勘違いし、ドリブルでセンターライン付近まで戻って時間を消費。レブロンの「行け!」との声で我に返った時には残り1.4秒しかなく、慌てて味方にパスするも、試合は延長戦に突入した。

 この凡ミスにより、キャブズは114-124で敗退。51得点、8リバウンド、8アシストという驚異的なパフォーマンスを見せたレブロンは我を忘れるほどに怒り狂い、試合後にロッカールームのホワイトボードを殴打して右手を骨折するアクシデントに直面。レブロンはその後も試合に出続けたが、キャブズは4連敗とスウィープ負けで優勝を逃した。

『The ATLANTIC』に寄稿するライターのジェメレ・ヒルがホストを務めるポッドキャスト『Jemele Hill is Unbothered』に出演したスミスは、「ファイナルでこのミスを犯してしまった。大舞台で、自分の身に起こった。そんなのどうでもいい。でも、人々はいまだにバカにしてくる。俺はジョークのネタにされて過ごしてきたから、キツいよね」と胸中を吐露。あの瞬間がまだ尾を引き、痛みが完全に言えることはないという。

「バスケットボールが好きだし、特にファイナルだから余計に傷つく。3歳からバスケットボールに情熱を注いできたんだ。それがたったワンプレーに集約されてしまうのは辛い。

 殿堂入り選手たち、コメンテーター、単に試合の話をする人たち……、俺のキャリアを文字通りワンプレーに集約してくるのがすごく苦痛だ。逃げ出したくはない。でも、すごく難しい問題で、俺にとってバスケットボールは愛とエネルギー、努力の結晶だけど、それが信用されなくなるのは辛いよ」

 20年を最後に、NBAではプレーしていないスミス。どこかで、18年NBAファイナルでのミスも影響しているのかもしれない。

構成●ダンクシュート編集部

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