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NBA

元オールスターPGのウォーカーが初の海外リーグ挑戦!“フランスバスケ界のPSG”ASモナコと1年契約を締結<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.07.22

近年NBAではジャーニーマン化していたウォーカーだが、まだ33歳。初の海外リーグでどんなプレーを見せてくれるか楽しみだ。(C)Getty Images

近年NBAではジャーニーマン化していたウォーカーだが、まだ33歳。初の海外リーグでどんなプレーを見せてくれるか楽しみだ。(C)Getty Images

 NBAでキャリア通算750試合出場を誇る33歳のベテランガード、ケンバ・ウォーカーが、フランスリーグのチャンピオン、ASモナコとサインした。

 ウォーカーのヨーロッパリーグ参戦については、今年の初旬にアルマーノ・ミラノ入りの噂が流れたが、こちらは文字通りの噂で終わっていた。

 しかし今回は、1年契約で合意に至った模様で、2011年にシャーロット・ボブキャッツ(現ホーネッツ)からNBAにデビューしたウォーカーにとっては、初の海外リーグ挑戦となる。

 オールスターに4度出場(17~20)、2018-19シーズンのフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦では60得点を奪うなど、ボブキャッツ/ホーネッツ在籍時はリーグ屈指のスコアリングガードとして鳴らしたウォーカーだが、19-20シーズンにボストン・セルティックスへ移籍後はヒザのケガの影響もあってプレータイムが減少。

 昨季開幕前にデトロイト・ピストンズを解雇されると、その後契約したダラス・マーベリックスでも、9試合(平均8.0点、2.1アシスト)の出場にとどまり、1月に解雇となっていた。

 ASモナコは、昨シーズン、ヴィクター・ウェンバンヤマ(現サンアントニオ・スパーズ)擁するメトロポリタンズ92(メッツ)とファイナルを戦い、3連勝でクラブ史上初のリーグ優勝を達成。さらにフランス杯も手に入れて、国内2冠を果たしただけでなく、ユーロリーグでもファイナル4に初進出。セミファイナルでギリシャのオリンピアコスに敗れたが、3位決定戦でバルセロナを下して3位という、素晴らしい成績でシーズンを終えた。
 
 この躍進に大きく寄与しているのが、モナコの資金力だ。22年1月にロシアの実業家アレクセイ・フェドリチェフ氏がオーナーとして実権を握って以来、モナコは莫大な予算を手に入れた。

 昨シーズンのモナコの年間予算は、リーグ史上始めて2000万ユーロを突破(2060万ユーロ)。元NBA選手のトニー・パーカー率いるアスヴェル(1570万ユーロ)や3位のメッツ(730万ユーロ)を大きく引き離し、それに比例するかのようにアスヴェルから王者の座も奪った。

 そしてその予算の50%以上にあたる1080万ユーロを選手のサラリーに投じている。この額は、その前のシーズンから60%アップと驚異的な増加で、ロスターには、マイク・ジェームズやジョーダン・ロイド、エリー・オコボといったNBA経験者が名を連ね、今夏には、昨年のユーロバスケットで大ブレイクしたフランス代表のフォワード、テリー・タルペイも同リーグのル・マンから獲得した。
  
 潤沢な資金を武器に補強を重ねるモナコは、キリアン・ムバッペやネイマールら国内外のスター選手を抱えるフランスのサッカークラブ、パリ・サンジェルマン(PSG)に擬えて、“フランスバスケ界のPSG”とも呼ばれているが、サシャ・オブラドビッチHC(ヘッドコーチ)はそれゆえに、「常勝を求められるプレッシャーはとてつもなく大きい」と、優勝後の会見で苦悩も吐露していた。
 
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