現地時間8月3日、今夏のワールドカップに向けたアメリカ代表のトレーニングキャンプがUNLV(ネバダ大ラスベガス校)のメンデンホール・センターで幕を開け、現役NBA選手たちで構成されたロスター12名が集結した。
25日に開幕する「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」へ向け、本格的に始動したチームUSA。メンバーには、昨季オールスターに選ばれたアンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)やタイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)、ジェイレン・ブランソン(ニューヨーク・ニックス)、ミカル・ブリッジズ(ブルックリン・ネッツ)、ジャレン・ジャクソンJr.(メンフィス・グリズリーズ)といった選手たちが選ばれている。
指揮を執るスティーブ・カーHC(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)は、選手起用について「最初の1、2週間で掘り下げていくことになる。我々コーチは毎日テープを観ていく。そこでいろいろな組み合わせを探って、交代パターンを考えていく」と語った。
ただし、ロスターに名を連ねたのはいずれもNBAの各チームで主力を担っている選手たちのため、采配については頭を悩ませることになると指揮官は言う。
「簡単なことではない。なにしろ、彼らはNBAでスターターを務めているのだからね。彼らは皆、先発を務める素晴らしい選手たちなんだ。FIBA(国際大会)への出場をコミットしてくれたことで、誰が先発するかはわからない。そこには契約もなければ、トレードもない」
今大会のロスターにおける最年少選手は、オーランド・マジックのパオロ・バンケロ。昨季マジックでトップスコアラーとなり、新人王に輝いた20歳のビッグマン(208cm・113kg)は、アメリカとイタリアの二重国籍を持っていたなかで、アメリカ代表としてプレーすることを選択した。
その要因は母親の存在にあったようだ。彼の母のロンダ・スミス・バンケロは、ワシントン州シアトル出身のバスケットボール選手で、地元ワシントン大やプロクラブで活躍後、2000年のWNBAドラフト3巡目全体46位でサクラメント・モナークスから指名。1シーズンをプレーしたほか、アメリカ代表としてのプレー経験もあった。
「国を代表するというのは、自分自身のことよりも大きなことなんだ。これ(父親のイタリアと母親のアメリカのどちらにするか)はずっと続くプロセスだった。そこで僕はここにいたいと決めた。母さんがアメリカ代表でプレーしていたから、僕たち家族にとってはいつだって夢だったのさ」
バンケロは3日の練習後に『The Athletic』へそう明かしている。得点・リバウンド・アシストと3拍子揃ったオールラウンドなフォワードは、攻守にわたってチームへ貢献できるだろう。
何より、さらなる高みを目指す未来のスター候補にとって、アメリカ代表の一員として今夏に味わうすべての経験が、今後のNBAキャリアにおいて必ずやプラスに働くに違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
25日に開幕する「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」へ向け、本格的に始動したチームUSA。メンバーには、昨季オールスターに選ばれたアンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)やタイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)、ジェイレン・ブランソン(ニューヨーク・ニックス)、ミカル・ブリッジズ(ブルックリン・ネッツ)、ジャレン・ジャクソンJr.(メンフィス・グリズリーズ)といった選手たちが選ばれている。
指揮を執るスティーブ・カーHC(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)は、選手起用について「最初の1、2週間で掘り下げていくことになる。我々コーチは毎日テープを観ていく。そこでいろいろな組み合わせを探って、交代パターンを考えていく」と語った。
ただし、ロスターに名を連ねたのはいずれもNBAの各チームで主力を担っている選手たちのため、采配については頭を悩ませることになると指揮官は言う。
「簡単なことではない。なにしろ、彼らはNBAでスターターを務めているのだからね。彼らは皆、先発を務める素晴らしい選手たちなんだ。FIBA(国際大会)への出場をコミットしてくれたことで、誰が先発するかはわからない。そこには契約もなければ、トレードもない」
今大会のロスターにおける最年少選手は、オーランド・マジックのパオロ・バンケロ。昨季マジックでトップスコアラーとなり、新人王に輝いた20歳のビッグマン(208cm・113kg)は、アメリカとイタリアの二重国籍を持っていたなかで、アメリカ代表としてプレーすることを選択した。
その要因は母親の存在にあったようだ。彼の母のロンダ・スミス・バンケロは、ワシントン州シアトル出身のバスケットボール選手で、地元ワシントン大やプロクラブで活躍後、2000年のWNBAドラフト3巡目全体46位でサクラメント・モナークスから指名。1シーズンをプレーしたほか、アメリカ代表としてのプレー経験もあった。
「国を代表するというのは、自分自身のことよりも大きなことなんだ。これ(父親のイタリアと母親のアメリカのどちらにするか)はずっと続くプロセスだった。そこで僕はここにいたいと決めた。母さんがアメリカ代表でプレーしていたから、僕たち家族にとってはいつだって夢だったのさ」
バンケロは3日の練習後に『The Athletic』へそう明かしている。得点・リバウンド・アシストと3拍子揃ったオールラウンドなフォワードは、攻守にわたってチームへ貢献できるだろう。
何より、さらなる高みを目指す未来のスター候補にとって、アメリカ代表の一員として今夏に味わうすべての経験が、今後のNBAキャリアにおいて必ずやプラスに働くに違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
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