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「もっと多くの金メダルを手にしていたかも」。殿堂入りするパーカーが好敵手ガソルとの対決を回想「スペインと対戦するのは大好きだった」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.08.06

元フランス代表のパーカーと元スペイン代表のガソル。2000年代の国際大会を盛り上げたライバルがともに殿堂入りを果たす。(C)Getty Images

 現地時間8月12日(日本時間13日)にマサチューセッツ州スプリングフィールドにあるシンフォニーホールで開催される今年のバスケットボール殿堂入り式典には、2000年代以降のNBAだけでなく、国際舞台で主役を務めてきた選手たちが集結することとなる。

 マイアミ・ヒートで3度の優勝を飾ったドゥエイン・ウェイドはアメリカ代表、ダラス・マーベリックス一筋21シーズンをプレーしたダーク・ノビツキーはドイツ代表として長らく活躍してきた。

 そしてベルギー生まれフランス育ちのトニー・パーカー(元サンアントニオ・スパーズほか)、スペイン出身のパウ・ガソル(元ロサンゼルス・レイカーズほか)は、キャリア終盤にスパーズでチームメイトになったとはいえ、NBAと国際大会で長らくライバルとして競い合ってきた仲だ。

 先日行なわれたインターナショナルメディアとのオンライン会見で、スペイン代表と対戦したことをどのように記憶しているかと同国メディアから聞かれたパーカーは、次のように語った。

「もしパウ・ガソルが生まれてこなければ、僕ら(フランス代表)はもっと多くの金メダルを手にしていたかもしれないね。スペインとは素晴らしいライバル関係にあった。私はいつだって、パウがいてくれたこと、それに私とフランス代表チームを押し上げてくれたことに感謝している」

 パーカーはフランス代表として、2013年の「FIBAユーロバスケット(欧州選手権)」で金メダルを獲得。2011年は銀メダル、2005、15年は銅メダルを手にした。
 
 一方、ガソル擁するスペイン代表は、2006年の「FIBA世界選手権(現ワールドカップ)」、2009、11、15年のユーロバスケットを制したほか、2008、12年のオリンピックと2003、07年のユーロバスケットで銀メダル、2016年のオリンピックと2001、17年のユーロバスケットで銅メダルを手にしている。

 現在は両選手とも現役を引退しているものの、昨年のユーロバスケット決勝ではスペインがフランスを倒して頂点に立っており、両チームは世界屈指の強豪国としての地位を確立している。

 パーカーはスパーズ時代に4度の優勝に加え、オールスター選出6度、オールNBAチーム選出4度を誇り、2007年には欧州選手として初のファイナルMVPにも輝いている。NBAにおける優勝回数では2度のガソルを上回っているとはいえ、スペイン代表チームは「大好きだった」という。

「スペインと対戦するのは大好きだった。私をもっと良い選手へと高めてくれたからね。それに私はいつもスペイン代表チームのメンタリティに魅了されてきた。そう、私はあのチームにインスパイアされてきたんだ」

 12日の殿堂入り式典で彼らが一堂に会するシーンは、2000年代以降のバスケットボール界を引っ張ってきた功労者たちにとって、忘れられない瞬間となるに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)
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