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「バスケIQが高く、様々な役割をこなせる」カリー父が八村塁を高評価!一方で指揮官はディフェンス面の課題を指摘

秋山裕之

2019.12.12

ホーネッツ戦で18得点、12リバウンドと今季2度目のダブルダブルを達成した八村。ブルックスHCは「とてもアクティブだった」と評価しつつも「クローズアウトがやや甘かった」と課題も口にした。(C)Getty Images

 八村塁が所属するワシントン・ウィザーズは、12月10日(日本時間11日)からアウェー3連戦がスタート。シャーロット・ホーネッツとの初戦はリードチェンジ20回という好勝負を演じたものの、107-114で惜敗した。

 試合前に「ディフェンスにしても、オフェンスにしても、アグレッシブに行くことをずっと目標としてやっているので、これからも続けていきたいと思います」と話していた八村は、18得点に加え、キャリアハイの12リバウンドをマーク。開幕戦以来となるダブルダブルと奮闘したものの、勝利には一歩及ばなかった。

 接戦となった第4クォーターにもコートに立ち続けた八村だったが、「最初からアグレッシブに行ったんですけど、最後のところでシュートを決めきれなかったところがあったので、そこはしっかりと反省して、またやりたいなと思います」と悔しがったように、終盤に点差を縮めるチャンスの場面でミスショットを連発。決してリズムは悪くなかったものの、勝負どころで八村のシュートがリングをくぐり抜けることはなかった。

 とはいえ、この日は4本のオフェンシブ・リバウンドを含む12リバウンドを奪取。試合後に「オフェンシブ・リバウンドも何本か取ったので、そこはこれからも続けていきたいなと思います」と振り返ったように、2桁リバウンドを奪ったことは大きな収穫と言っていい。

 ステフィン・カリーの父で、現在はホーネッツの解説者を務めるデル・カリー(元ホーネッツほか)は八村について「バスケットボールIQが高く、様々な役割をこなせる。今のNBAではビッグマンもペリメーターの選手をガードしなければいけないが、彼にはそれができるんだ。手足の長さ、スピードが優れていて、競争意識も高い」と高評価。
 
 ウィザーズのスコット・ブルックス・ヘッドコーチ(HC)も「とてもアクティブだった。ルイはルイだよ。常に一生懸命なんだ」とこの試合のパフォーマンスを称えていた。

 もっとも、指揮官は21歳のルーキーに対して、「でも今日はクローズアウト(※ディフェンダーがオフェンスプレーヤーの間合いを詰める時の動き)がやや甘かった。身体を開きすぎてしまったことで、相手へ簡単にドライビングレーンを与えてしまった。次の課題はディフェンスでしっかりクローズアウトできるようになること」と苦言を呈していたことも見逃せない。

 また、オフェンスでスクリーンをかける時にも指摘されていたのだが、八村はディフェンダーへ身体を密着させてロールするのではなく、少し触れる、あるいは近づいたところでロールしてしまい、ブラッドリー・ビールなどボールマンのディフェンダーを引き離すことができていないシーンもあった。

 ウィザーズと八村にとって朗報なのは、次戦が14日(同15日)のメンフィス・グリズリーズ戦のため、中3日試合がないこと。12月のウィザーズはハードスケジュールのため、選手たちは休養することもできるだろう。

 だが八村は、ホーネッツ戦に敗れたことをとても悔やんでおり、「そういう時にフィルムとかを見て、しっかりと次の試合、これからの試合のために成長できるようにしないといけないと思います」と語っていた。

 ウィザーズとしても、現在はケガ人が多いため、中3日というスケジュールでチーム状況を立て直すことができるはず。この期間を有効に使い、今後の巻き返しに向けてリフレッシュしてほしいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)