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「相手は多くを望んでいて、成立できなかった」エインジがセルティックスGM時代に獲得を狙っていた選手を告白<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.08.15

エインジはセルティックスのGM時代、当時ブルズに所属していたバトラーの獲得を狙っていたという。(C)Getty Images

 現在ユタ・ジャズのCEOを務めているダニー・エインジは、現役時代にボストン・セルティックスで2度(1984、1986年)の優勝を経験した。

 現役引退後はフェニックス・サンズでヘッドコーチを約3年間務め、2003年5月にセルティックスのGM(ゼネラルマネージャー)に就任。2021年6月までチームの戦力強化に尽力してきた。

 エインジは2007年夏にシアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)からレイ・アレン、ミネソタ・ティンバーウルブズからケビン・ガーネットと2人のオールスター選手を獲得し、ポール・ピアースと"ビッグ3"を形成。2007-08シーズンに球団史上17度目の優勝を飾り、最優秀エグゼクティブ賞に輝いた。

 その後もエインジは数多くのトレ―ドを成立させ、チームは2010年にもファイナルへ進出。2017年から2020年の4年間で3度のカンファレンス・ファイナル進出も果たした。

 8月14日(日本時間15日)、米メディア『The Players' Tribune』のポッドキャスト番組『Knuckleheads』へ出演したエインジは、セルティックスのフロント時代に獲得を狙っていた選手を告白した。

「私がこれまでに成立させてきたベストなトレードのうち、いくつかは実現に至らなかったんだ。ボストン時代、私はシカゴ(ブルズ)からジミー・バトラーを獲得しようとした。だが彼らは(見返りに)多くのものを望んでいた。それで成立させることができなかった。結局、我々はジェイレン(ブラウン)とジェイソン(テイタム)をドラフト指名することになったんだ」
 
 現在はマイアミ・ヒートの大黒柱として君臨しているバトラーは、2016-17シーズンまでブルズに在籍し、チームの中心選手として活躍した。

 だが2017年のドラフト当日にザック・ラビーン、ラウリ―・マルッカネン(現ジャズ)を絡めたトレードでミネソタ・ティンバーウルブズへ移籍していた。

 セルティックスはブラウンを2016年のドラフト1巡目3位、テイタムを2017年のドラフト1巡目3位で指名していることから、少なくともエインジは2016年以前にバトラー獲得を目論んでいたのだろう。

 その後、ブラウンとテイタムはスター選手へ成長を遂げ、昨季揃ってオールNBAチーム入りを飾り、リーグ最高級のウイングデュオとしての地位を確立している。

 エインジは2017年にカイリー・アービング(現ダラス・マーベリックス)を獲得する大型トレードを成立させているが、それ以前にバトラーがセルティックスへ加入していたら……。NBAの歴史が大きく変わっていたことは間違いないだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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