昨季のロサンゼルス・レイカーズは開幕５連敗とスタートからつまずき、12試合終了時点でカンファレンス14位の２勝10敗と低迷。プレーオフは絶望的と思われたが、シーズン途中にトレードで新戦力を加えると、３、４月は14勝６敗と持ち直し、最終的に43勝39敗（勝率52.4％）でウエスト第７シードの座を手にした。

　ポストシーズンではカンファレンス・ファイナルで、デンバー・ナゲッツに４連敗を喫したものの、１回戦で第２シードのメンフィス・グリズリーズを４勝２敗、カンファレンス準決勝では2022年王者のゴールデンステイト・ウォリアーズを４勝２敗で撃破するなど、快進撃を見せた。

　今夏には若手のオースティン・リーブスや八村塁を引き留め、フリーエージェント市場ではゲイブ・ヴィンセントやトーリアン・プリンスといった実力者と契約。充実のオフを過ごし、ダービン・ハムHC（ヘッドコーチ）は、今季のチームに自信を持っているという。

　バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズのキャンプで南アフリカを訪れたハムHCは、『ESPN』の取材に次のように語った。
  「（優勝に近づいているのは）間違いない。我々にはレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスのリーダーシップがあり、（今夏に）ルイ・ハチムラ、オースティン・リーブス、ディアンジェロ・ラッセルといったタレントを呼び戻すことができた。

　そして、ゲイブ・ヴィンセント、トーリアン・プリンス、キャム・レディッシュ、ジャクソン・ヘイズなど、加入した選手たちを考えると、我々の可能性は無限大だと思う。選手層が厚くなり、スキル、サイズ、アスレチック能力を持った選手がたくさん加わった。すべてが集結するのを楽しみにしているよ」

　しかし、スタープレーヤーや優秀な選手を多数揃えたチームが必ずしもNBAでチャンピオンになれるわけではない。選手時代の04年にデトロイト・ピストンズで頂点に立ち、アシスタントコーチとして21年ミルウォーキー・バックスの優勝を経験したハムHCは、優勝するチームには重要な要素があると語る。

「私が務めていた（チームの）コーチはいつも『最も結束しているチームが勝つ』と言っていた。チャンピオンとそれ以外を分ける上で重要なのは一体感だ。優勝するために、個人的な目標や思惑を犠牲にすることを厭わないメンバーでチームを構成し、実行する必要がある。

　それには多くの運も必要だ。もちろん、私たちのレベルでは健康である必要がある。チーム全体が良いリズムで、選手全員が同じ認識を持っていなければならない。結局はチームスポーツであり、最も団結力のあるチーム、チームのために自己犠牲ができるチーム、それがトップに立つチームなんだ」

　レブロン＆デイビスの周囲に優秀な脇役陣を揃えることに成功したレイカーズ。才能豊かな選手たちをハムHCがひとつにまとめ、チームを頂点に導くことができれば、50歳の指揮官の株は大きく上がりそうだ。

構成●ダンクシュート編集部

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