いよいよ大一番が刻一刻と迫ってきた。

　沖縄アリーナで熱戦が繰り広げられている「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」。８月29日はグループＥの第３戦、日本（世界ランキング36位）対オーストラリア（同３位）が行なわれる。ともに１勝１敗、勝った方が２次ラウンドに進出する最も重要な一戦だ。
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　27日のフィンランド戦では、一時18点差のリードを許すも驚異的な追い上げで逆転勝利を収め、勢いに乗る日本。対するオーストラリアはドイツ（同11位）との接戦（82-85）を落としており、死に物狂いで必勝を期す。

　雌雄を決する一戦に向け、かつてのチームメイトとの再会に闘志を燃やしている男がいる。ブーマーズ（オーストラリアの愛称）の主将パティ・ミルズ（アトランタ・ホークス）だ。オーストラリアのスポーツ専門メディア『CODE Sports』によると、ミルズは今夜戦う日本との一戦に向け、「厳しい戦いになるだろう」と警戒を強めている。

「W杯なんだから、銀の皿の上で手渡されるようなことは何もない。開催国の日本と対戦できるなんて、信じられないようなチャンスだ。コート上でもスタンドでも、日本はとても迫力がある」

　27日のドイツ戦では３点差の僅差で敗れたが、35歳のベテランガードは「貴重な教訓を得た」と振り返り、立ち上がりの動きを課題に挙げながら修正を図ってきたという。「スロースタートにならないようにするために、何ができるかを考えている。今夜（日本戦）のスタートは特に重要になる」と対策は万全のようだ。

　そして日本のキーマンには、ブルックリン・ネッツ時代のチームメイトを堂々指名した。「日本にはユウタがいる。僕たちはお互いのロッカーが隣同士だったからね。そのとき、彼は僕の新品の靴にスムージーをこぼしたんだ。そのときの仕返しをしなきゃね」と話し、渡邊雄太とのエピソードを冗談を交えながら「ユウタがどれだけ優れたシューターであるか、そして素晴らしい選手であるかは見て明らかだ。それに彼らが持っている最高のものは、ホームの観客のアドバンテージだ」と、渡邊の正確なシュートに加え、会場を満員にするブースターの存在を警戒した。
  　同メディアは日本の劣勢を予想するも、「開催国である日本は、ブーマーズを世界最高のチームのひとつと評価しているが、彼らはFIBAバスケットボール史上最大の番狂わせを巻き起こそうと狙い、彼らの強力なパンチ（攻撃）に耐える準備をしている。日本はフィンランドに歴史的な大逆転勝利を収めたばかり。この10点差での白星はW杯で初めて欧州相手に勝利したもので、約8000人の観衆を歓喜の渦に巻き込んだ」と指摘するように、強力なホームアドバンテージを背に戦う日本はオーストラリアにとって脅威だと強調している。

　NBAプレーヤー9人を擁するオーストラリア相手に、日本が付け入る隙はあるのか。その可能性についてトム・ホーバスHCは「我々は勝つためにここにいる。オーストラリアは世界最高のチームのひとつだが、押し負けるわけにはいかない」と語気を強め、「リバウンドで競り合い、接戦に持ち込まなければならない。そして、シュートをたくさん打たなければならない」と強敵相手に一歩も引く気はないと力を込めている。
　
　アカツキジャパンは歴史を塗り替えることができるのか。決戦は20時10分頃にティップオフだ。

構成●THE DIGEST編集部

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