東京五輪以来のドリームチーム結成は実現するのか。

　去る９月２日、沖縄で開催された「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の順位決定戦で、日本代表はカーボベルデと対戦して、80-71の快勝を収め、大会通算成績を３勝２敗とし、アジア最上位が確定。来年のパリ五輪出場権を獲得した。

　自力での五輪切符は1976年モントリオール五輪以来、実に48年ぶり。アカツキジャパンの快挙に会場の沖縄アリーナは狂喜乱舞し、FIBA公式X（旧ツイッター）にも「忘れられない沖縄の夜！」と題して、試合終了の瞬間や日本チームの歓喜のロッカールームの様子が投稿されるなど、異例の盛り上がりを見せた。

　そして日本代表の活躍には、昨シーズンNBAで眩い活躍を見せた八村塁（ロサンゼルス・レイカーズ）も熱い視線を注いでいた。

　今大会の代表候補にも名が挙がっていた25歳は、今後の自身のNBAキャリアを優先するため、参加を辞退する苦渋の決断を下していた。それでも日本代表の動向には常に気にかけていたようで、パリ行きの切符を掴み取ったカーボベルデ戦後には、自身のXに日の丸と炎の絵文字をひとつずつ添えて、代表チームの快挙を祝福していた。

　昨シーズン途中から名門レイカーズに移籍し、スタメンを張るまでに成長した八村。五輪本番では、エースを加えたドリームチーム結成を否が応でも期待してしまう声は日本国内だけではないようだ。
  　米スポーツメディア『FanNation』のコール・フォースマン氏は八村不在のなか、48年ぶりに自力で五輪出場権を掴んだ日本代表を称賛するとともに、「ルイ・ハチムラが、パリ五輪で日本のユニフォームを着る姿を見たい！」と熱望。快進撃を見せたチームに、NBAの西カンファレンス名門で研鑽を積む日本のエースを「パリ五輪に絶対に必要な存在だ」と断言するほど加入を願っている。

　他にも、米スポーツサイト『ClutchPoints』は「レイカーズのスターは、アカツキジャパンの功績を誇りに思っている」と言及する。「ルイ・ハチムラは感情を抑えることができなかった。彼はラウリー・マルッカネン（ユタ・ジャズ）率いるフィンランド（８月27日）に勝利したときも反応している」と指摘。日本の快進撃のきっかけとなったフィンランド戦の逆転勝利に触れ、代表チームでのプレー願望は十分に持っていると強調。五輪本番で日の丸を背負う八村のプレーに期待を寄せている。

　わずか12チームしかコートに立つことができない来年のパリ五輪。激闘から一夜明けた９月３日の記者会見には、日本代表トム・ホーバスHCが八村について「彼に入ってほしいのは当たり前。でもウチのバスケットボールをやらないなら、このメンバーでいいチームをつくる。自信はあります」と特別視しないチーム作りを目指すと興味深い発言をし、今大会に選出されたメンバーも決して安泰とは言えない。

　はたして、日本代表のメンバーに八村の姿は見られるのか。パリ五輪のメンバー入りを懸けた熾烈なサバイバルレースに要注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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