バスケW杯

【バスケW杯準決勝レポート①】ボグダノビッチを中心に“小技”で対抗したセルビアが決勝へ。カナダは守備難が敗因に<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.09.09

セルビアは23得点のボグダノビッチを筆頭に5人が2桁得点をマーク。カナダのギルジャス・アレキサンダー(左)は15得点にとどまった。(C)Getty Images

 8月25日に開幕した「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」も佳境を迎え、9月8日には準決勝の2試合が行なわれた。

 第1試合はセルビアとカナダが対決。カナダはここまでフランス、レバノン、ラトビア、スペイン、スロベニアを退けて勝ち上がってきた。唯一黒星を喫したブラジル戦も4点差(65-69)の惜敗。若手中心のチームながら、ゲームを重ねるごとにケミストリーや国際ルールに対する対応力も向上していった。

 セルビアも、2次ラウンドの初戦でイタリアに僅差(76-78)で敗れた以外は、準々決勝のリトアニア戦も19点差(87-68)と、大差で勝利を重ねてきたチーム。

 とりわけグループリーグでは、中国に42点差、南スーダンに32点差と大勝している。南スーダン戦ではフォワードのボリシャ・シマニッチが相手との接触プレーで戦線離脱。肝臓を摘出する重傷を負ったことで、チーム全体に「彼に勝利を捧げたい」という強い気持ちが生まれた。

 そんな両者による準決勝は接戦が予想されたが、前半を終えて52-39と、セルビアが13点のリードを奪う。

 今大会、絶大なリーダーシップでチームを牽引しているセルビアのボグダン・ボグダノビッチは、この一戦でも名司令塔ぶりを発揮。彼らが流れを引き寄せることになったプレーは第1クォーター残り3分、ファウルを得たニコラ・ミルティノフはフリースローを2本とも外すも、こぼれ球を拾ったボグダノビッチはカイル・アレキサンダーのファウルを受けながらもシュートを沈め、3ポイントプレーを成功させた。
 
 これでリズムに乗ったセルビアは直後に速攻からさらに得点。一方、カナダの得点は3分半以上も止まっていた。

 前半、今大会でチーム最少となる39得点に抑えられたカナダは、第3クォーター序盤にディロン・ブルックスの連続3ポイントで点差を1桁とする。守備ではセルビアの攻撃を阻止すべく、インサイドを固めたが、"小技"で対抗するセルビアは、巧みにファウルをゲットするなど堅実に加点し、相手をファウルトラブルに陥れた。

 ボグダノビッチは第4クォーターにも3ポイントにワンマン速攻と、抜群のインパクトを発揮。最終的に「前半終了時点で10点以上リードしていた試合は、過去のワールドカップで14戦負けなし」のセルビアが95-86で勝利し、北米勢を締め出した。
 
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セルビアがカナダに対して徹底していたこととは?