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NBA

「彼は最も身体能力があるわけじゃない」コビーに憧れていたテイタムが、父の勧めでプレーを参考にした選手とは?<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.09.20

テイタムにとってのアイドルはコビーだったが、プレーを参考にしていたのはセルティックスのOBだった。(C)Getty Images

テイタムにとってのアイドルはコビーだったが、プレーを参考にしていたのはセルティックスのOBだった。(C)Getty Images

 ボストン・セルティックスのエースであるジェイソン・テイタムは、キャリア6年目の昨季、自己ベストの平均30.1点に8.8リバウンド、4.6アシスト、1.05スティールをマーク。4年連続で出場したオールスターでは、大会史上最多の55得点に10リバウンド、6アシストを残して初のMVPに選ばれた。

 2022、23年と2シーズン連続でオールNBA1stチーム入りしている203cm・95kgのフォワードはリーグ最高級の実力者となり、今季は自身2度目のファイナル進出、そして初のリーグ制覇を目指すこととなる。

 そんなテイタムのアイドルとして広く知られているのが元ロサンゼルス・レイカーズのコビー・ブライアント。20年間のキャリアで5度の優勝を勝ち獲ったスーパースターは、2020年1月末のヘリコプター墜落事故で悲劇の死を遂げたが、現代の“マイケル・ジョーダン”として多くの若手選手に影響を与えた。

「(自分が)まだ小さかった頃、コビーみたいにフェイダウェイシュートがしたいと思っていた。そう、コビーが僕のアイドルだったんだ」

 ルーキーシーズン(2017-18)に自身のお手本についてコビーを挙げていたテイタムだったが、父親から的確な指摘があったと米メディア『Clutch Points』が報じている。
 
「父さんから『いいか。お前は“The Truth”のプレーを見る必要がある。ポール・ピアースだ。彼は(リーグで)最も身体能力があるわけじゃない。だがこの男は毎回ショットを放てるように、スペースを見つけているんだ。彼こそが、まさにお前がお手本にすべき選手だ。お前にはサイズとフットワークがあるだろ』と言われてね。そこから、彼(ピアース)のプレーを観るようになっていったんだ」

 ピアースはNBAキャリア最初の15シーズンをセルティックスでプレーし、フランチャイズ史上2位の2万4021得点、5位の4305アシスト、1位の1583スティールと3ポイント成功1823本を残してきたレジェンド。2008年にはチームを22年ぶりの優勝に導き、ファイナルMVPに選ばれている。

 3度のオールNBAチーム選出、オールスターMVP、カンファレンス決勝MVPなど数々の成功を収めてきたテイタム。優勝経験はないが、まだ25歳という若さを考えれば、引退までにピアース以上の選手になっていても不思議はないだろう。
 
文●秋山裕之(フリーライター)

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