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フランチャイズプレーヤーは過去のもの?今夏の大型移籍で、現役の同一球団在籍年数トップ3がウォリアーズのビッグ3に<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2023.09.29

同一球団在籍年数で現役トップはカリー(右)の15年。次いでトンプソン(中央)、グリーン(左)とウォリアーズ勢がリーグ上位を独占する。(C)Getty Images

 スポーツの世界において、ひとつの球団で長期にわたって活躍する選手のことを"フランチャイズプレーヤー"と呼ぶが、NBAでは今、その存在が絶滅しつつある。

 歴史上、同一球団で最も長くプレーしたのは、1999年から2019年にかけてダラス・マーベリックス一筋で活躍したダーク・ノビツキーの21年。次いでコビー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)と昨季限りで引退したユドニス・ハズレム(マイアミ・ヒート)の20年、ティム・ダンカン(サンアントニオ・スパーズ)とジョン・ストックトン(ユタ・ジャズ)の19年、レジー・ミラー(インディアナ・ペイサーズ)の18年と続く。

 いずれもフランチャイズを象徴する存在だった彼らのように、一昔前まではその球団の顔と言えるスタープレーヤーが各チームに在籍していた。

 しかし、昨季終了時点で、プロ入りから10年以上同一チームに在籍した現役選手はわずか6人。そして今オフ、そのうちの2人であるブラッドリー・ビール(ワシントン・ウィザーズで11年→フェニックス・サンズ)とデイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズで11年→ミルウォーキー・バックス)が移籍し、"10年選手"は4人だけになった。
 
 4人の顔ぶれを見ると、なんとゴールデンステイト・ウォリアーズのビッグ3がトップ3を占めている状況だ。フランチャイズプレーヤーとして現役最長15年目を迎えるステフィン・カリーを筆頭に、クレイ・トンプソンが在籍13年目(うち2年はケガで全休)、ビール、リラードとドラフト同期のドレイモンド・グリーンが12年目を迎える。

 残りの1人はリラードの移籍先であるバックスのヤニス・アデトクンボで11年。ウォリアーズのビッグ3は言わずもがな、ともに4度の優勝を分かち合い、黄金時代を築いた。アデトクンボも2021年に球団50年ぶりの王座をもたらし、名実ともにバックスの顔となっている。いまだ経験できていない優勝を追い求めて、今夏に移籍を選択したビールとリラードとは対照的だ。

 もっとも、現代は一部のチームにスターが結集してチャンピオンを狙うのが当たり前になっており、それでも簡単にはファイナルにも辿り着けない戦国時代。12年以上にわたって3人もチームの核を維持し続けるウォリアーズが異質なのかもしれない。

■同一球団に在籍し続ける現役のフランチャイズプレーヤー
※年数は今季(2023-24シーズン)を含む

15年:ステフィン・カリー(ウォリアーズ)
13年:クレイ・トンプソン(ウォリアーズ)※途中の2年間は全休
12年:ドレイモンド・グリーン(ウォリアーズ)
11年:ヤニス・アデトクンボ(バックス)
10年:ジョエル・エンビード(76ers)※最初の2年間は全休
9年:ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ)
9年:デビン・ブッカー(サンズ)
9年:カール・アンソニー・タウンズ(ウルブズ)
9年:マイルズ・ターナー(ペイサーズ)
9年:ケボン・ルーニー(ウォリアーズ)

構成●ダンクシュート編集部
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