９月25日（日本時間26日、日付は以下同）に行なわれた2023－24シーズンに向けた記者会見で、ゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーＨＣ（ヘッドコーチ）は「基本的に、我々にはスターターが６人いると見ている」と語った。

　一昨季の王者ウォリアーズにはステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、アンドリュー・ウィギンズ、ドレイモンド・グリーン、ケボン・ルーニーという不動の５選手に加え、今夏にトレードで元オールスターガードのクリス・ポールが加入。

　米スポーツ専門局『ESPN』をはじめ、複数のメディアは今季の予想スターターとしてポール、カリー、トンプソン、ウィギンズ、グリーンの５人を挙げていた。

　ただ、現時点で指揮官はスターターを決めておらず、10月３日からスタートするトレーニングキャンプで選手たちの状態や相性を見てから決めていくことになると話していた。

　また、カーHCは「ポール、カリー、トンプソン、ウィギンズ、グリーンの布陣がうまくいくと想像するのは難しい。フロアにものすごいタレントと万能性、得点力が持ち込まれるからね」と“注目の布陣”に関する明言を避けていた。

　ウォリアーズはカリーとトンプソンのシュート力、ウィギンズの得点力を生かすべく、ビッグマンには特殊な役割が求められる。在籍12年目のグリーンと９年目のルーニーは、昨季２人合わせて平均55.4分コートに立ちながら、フィールドゴール試投数は計11.2本のみ。シュート本数よりも圧倒的に味方へスクリーンをかける機会の方が多い。
  　そんなチームで注目されるのが、今季が契約最終年のトンプソンだ。33歳のベテランは、昨季は69試合の出場で平均21.9点、4.1リバウンド、2.4アシスト、３ポイント成功率41.2％、リーグトップとなる301本の長距離砲を沈めた。

　29日に米メディア『95.7 The Game』の番組に出演したカーHCは、トンプソンについて次のように話していた。

「クレイはもっといい夏（オフシーズン）を過ごさないといけないとわかっていたんだ。彼はそう言ってきたよ。我々が彼に連絡する必要はなかったよ。彼は自分で認識していたんだろう。そのことをこの夏にしっかりとコミットしてくれたんだと思う。ここ数日に彼が見せているプレーを見ればわかるはずだよ」

　さらに指揮官は現在のトンプソンのコンディションに太鼓判を押していた。

「彼は最高のシェイプにある。シューティングも印象的だ。契約最終年でもあるから、やる気十分だね。今の彼は自身のベストな状態になりたがっていて、その位置へと持ち込んでいるよ。すでに準備はできているね」

　今季のウォリアーズにはグリーンとカリーに加え、キャリア平均9.5アシスト（現役ではトップ）を誇る名パサーのポールがいるだけに、トンプソンが昨季以上のスタッツを残してもおかしくないだろう。

文●秋山裕之（フリーライター）

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