現地時間９月27日、NBAで３チーム間の大型トレードが成立し、オールスターガードのデイミアン・リラードがポートランド・トレイルブレイザーズからミルウォーキー・バックスへ移籍する衝撃ニュースが世界中を駆け巡った。

　ヤニス・アデトクンボという現役最高クラスのビッグマンを擁するバックスは、昨季リーグベストの58勝24敗（勝率70.7％）を記録した強豪。プレーオフこそマイアミ・ヒート相手に１勝４敗でファーストラウンド敗退に終わったとはいえ、ブレイザーズで優勝とは無縁だったリラードにとって、悲願の王座獲得を現実的に狙えるチームへの移籍になったと言えるだろう。

　バックス、ブレイザーズ、フェニックス・サンズによる３チーム間トレードでは計８選手が移籍したが、なかでも注目を浴びたのがドリュー・ホリデーだった。

　2013年にフィラデルフィア・セブンティシクサーズからニューオリンズ・ペリカンズ、2020年にペリカンズからバックスへ移籍したホリデーにとって、今回が自身３度目のトレード。しかも移籍が決まる前日の26日に、地元メディア『Milwaukee Journal Sentinel』へ“生涯バックス”宣言をしていた矢先の出来事だった。
  「僕はここで（タイトルを）勝ち取る前から、ずっと“バック”でいたいと言っていた。心からそう思っているんだ。ほかのチームではプレーしたくない。僕らにはバックスというチームと組織で素晴らしいことをやり続けるチャンスがあると思っている。だから僕はミルウォーキーにいたいんだ」

　この言葉が公開されてから約24時間後、ホリデーはバックスから放出。“NBAはビジネス”とはよく言われるものの、まさに急転直下の移籍劇となった。

　ただ、ホリデー自身もすでに切り替えており、インスタグラムで「ミルウォーキー、あなた方は僕と家族のことを歓迎してくれた。僕たちはこれから先もチャンピオンであり、今後もずっと感謝していく」とファンへ別れを告げ、新たなチャプターへと踏み出している。

　気になるホリデーの去就だが、米スポーツ専門局『ESPN』はトレード直後からブレイザーズがこのベテランガードを使って、さらなるトレードを模索する意向だと報道。27日に米メディア『Bally Sports』の番組に出演した『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者は、移籍先候補にヒート、トロント・ラプターズ、ボストン・セルティックスを挙げていた。