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NBA

無限の才能と課題が見えた“怪物”ウェンバンヤマのデビュー戦。名将は精神面の「成熟ぶり」を高く評価<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.10.27

NBAキャリアの第一歩を踏み出したウェンバンヤマ。欧州の先輩ドンチッチ(右)も期待を寄せる。(C)Getty Images

NBAキャリアの第一歩を踏み出したウェンバンヤマ。欧州の先輩ドンチッチ(右)も期待を寄せる。(C)Getty Images

 今年のドラフト全体1位指名、期待の超大型新人ヴィクター・ウェンバンヤマの記念すべきデビュー戦は、残念ながら黒星発進となった。

 サンアントニオ・スパーズを126-119で沈めたのは、ルカ・ドンチッチとカイリー・アービングを擁するダラス・マーベリックス。それでも、フランスからやってきた身長224cmの大器は、初陣から攻守でインパクトを残した。

“ウェンビー”は試合冒頭から、オールスター出場8回を誇るアービングのジャンパーをブロック。記念すべき公式戦初得点は、ティップオフから約3分半後、デビン・ヴァッセルのパスを受けて、トップから3ポイントシュートを沈めた。

 このあとも2本の3ポイントを成功させ、23分19秒のプレータイムで15得点、5リバウンド、2アシスト、2スティール、1ブロックの成績でデビュー戦を終えた。ちなみにゲームワーストの5ターンオーバーも献上している。

 19歳のルーキーがさっそく洗礼を受けたのは、ファウルトラブルだ。第1クォーターに2つ、第3クォーターに立て続けに2つのファウルを吹かれると、第4クォーター開始早々には退場一歩手前となる5つ目をコールされてしまう。しかし彼の凄さはそこからだった。
 
 ラスト7分からコートに戻されると、アリウープダンクに3ポイントなど、チームの最終16点中9得点を奪取。試合後、名将グレッグ・ポポビッチHCも終盤の復調を高く評価した。

「選手にとって最もタフなことのひとつは、ファウルトラブルに陥ってリズムに乗れないことだ。入ったり出たりになるからね。あの若さでも彼の成熟ぶりは発揮されている。ラスト7分でコートに戻したが、彼はいつも通りプレーした。ファウルトラブルでリズムを失った多くの選手は、そのくらいの時間帯にはすっかり調子を落としているものだ。それを考えると、彼は素晴らしいプレーをしたと思う」

 ウェンバンヤマ本人もファウルトラブルについて、「フラストレーションにはなるけど、常に顔を上げて平常心を保っていることが大切だ。チームメイトにとってもね。だから(苛立たしい感情は)コート上では表に出すことはできない。毎日が勉強だよ」と言及。19歳のルーキーのものとは思えない、熟練プレーヤーのようなコメントである。
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