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NBA

イングルズの先発復帰でらしさを取り戻したジャズは、クラークソン補強でさらに浮上できるか

出野哲也

2019.12.25

新たな役割に適応できず苦戦していたイングルズだが、先発に復帰してからは平均13.4点、5.6アシストと息を吹き返した。(C)Getty Images

新たな役割に適応できず苦戦していたイングルズだが、先発に復帰してからは平均13.4点、5.6アシストと息を吹き返した。(C)Getty Images

 オフにトレードでメンフィス・グリズリーズから実績豊富なベテランポイントガードのマイク・コンリーを獲得、さらにインディアナ・ペイサーズからFAになった優秀なシューター、ボーヤン・ボグダノビッチとも契約して、今季のユタ・ジャズは上位進出はもちろんのこと、優勝候補の一角だと見る向きさえあった。

 しかしながら、12月9日までは13勝11敗と勝率5割前後をうろついていた。その原因の一つはクイン・スナイダー・ヘッドコーチ(HC)の用兵にあった。最初の21試合で、ジョー・イングルズをシックスマンとして起用していたのだ。優れた3ポイントシューターであるだけでなくプレーメーキングの能力も高いイングルズに、セカンドユニットの核としての役割を期待した構想自体は間違いではなかった。

 ところが、慣れないベンチ出場でリズムを掴めなかったせいか、32歳のベテランは開幕から不振が続く。昨季はフィールドゴールを1本も決められなかった試合は、レギュラーシーズン/プレーオフの合計87試合で一度しかなかったのが、今季は最初の11試合で2度も記録してしまうほど、シュートタッチに苦しんでいたのだ。
 
 イングルズだけでなく、控えメンバーの出来は全体的に悪かった。エド・デイビスはリバウンドでの貢献度は高い一方で攻撃は計算できず、ジェフ・グリーンはシュートの精度が低く、エマニュエル・ムディエイはミスが多い……といった按配。こうしたこともあって、大半の試合でジャズのベンチの得点は相手チームを下回っている。ファンの間ではリーグ最悪クラスのベンチ陣かもしれない、と嘆きの声も上がっていた。

 一方、コンリーもなかなか調子が上がらなかった上、ハムストリングの負傷で12月4日から戦線離脱(17日に復帰したが、同じ部分を痛めて再離脱)。これをきっかけに、スナイダーHCはイングルズを先発に戻す判断を下した。ベンチがさらに悪化するのを承知で、とりあえず先発メンバーの弱体化を防ごうとしたのである。結果は吉と出て、先発復帰後のイングルズの成績は平均13.4点、5.6アシスト。ベンチ出場時は36.2%だったフィールドゴール成功率は、先発では52.2%までジャンプアップした。

 ESPNのザック・ロウも「イングルズが先発するようになって、やっとジャズらしい攻撃ができるようになった」と見ている。この間チームも6勝2敗。11日からは5連勝と、ようやく調子が上向いたようにも思える。
 

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