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NBA

名脇役イングルズが優勝候補のウルブズに加入!ジャズ時代の同僚と再会し、「もっと先へ勝ち進みたい」と意気込み<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.07.05

新たにウルブズ移籍が決まったイングルズ。今夏はオーストラリア代表としてパリ五輪に参戦予定だ。(C)Getty Images

新たにウルブズ移籍が決まったイングルズ。今夏はオーストラリア代表としてパリ五輪に参戦予定だ。(C)Getty Images

「まったく。多すぎるね。ひとつのチームでずっとプレーしていたかったからクレイジーなことだ。僕は本当にひとつのチームにいたかっただけなのにね」

 そう語ったのは、現地7月3日にミネソタ・ティンバーウルブズと1年330万ドル(約5億3130万円)で契約合意に達したと報じられたジョー・イングルズ。翌4日にスポーツ専門局『ESPN』のインタビューに応じ、現在の心境を語った。

 2014年にドラフト外でNBA入りしたイングルズは、これまでユタ・ジャズ、ミルウォーキー・バックス、オーランド・マジックと3球団を渡り歩き、11年目の今季、新たにウルブズ入り。

 キャリア最初の8シーズンはジャズでプレーしたが、2022年以降はポートランド・トレイルブレイザーズ(ケガのためプレーせず)、バックス、マジックを転々とし、今夏はマジックがチームオプションを破棄したことで完全FA(フリーエージェント)になり、再び新天地を求めることになった。

 206cm・100kgのサイズを誇る36歳のベテランは、ジャズで通算1071本の3ポイントを沈め、球団記録を保持している。昨季は68試合の出場で平均17.2分、4.4点、2.1リバウンド、3.0アシストに3ポイント成功率43.5%(平均1.0本成功)を記録し、チームの躍進に貢献。高いバスケットボールIQを持つ名脇役として知られる。

 ウルブズは昨夏もイングルズ獲得に関心を示していて、今夏にカイル・アンダーソンがゴールデンステイト・ウォリアーズへ移籍したことで、3ポイントとプレーメーキングが期待できるベテランの獲得に至った。
 
 新天地とはいえ、ウルブズにはジャズ時代の同僚で長年一緒にプレーしたルディ・ゴベア、マイク・コンリーが在籍しているため、連携面で問題はないだろう。

 ウルブズは昨季、ウエスタン・カンファレンス3位の56勝26敗(勝率68.3%)を記録。第3シードで臨んだプレーオフでもカンファレンス・ファイナルまで勝ち進んでおり、新シーズンもタイトルを狙える戦力を有している。

 アンソニー・エドワーズ、カール・アンソニー・タウンズのオールスターデュオが健在で、その周囲をゴベアにコンリー、ジェイデン・マクダニエルズ、ナズ・リード、ニキール・アレキサンダー・ウォーカー、そして新たにイングルズが支えることになる。

 現役有数のトラッシュトーカーでもあるエドワーズについては「彼はなかなかの使い手だ。もう聞きたくはないかな」と切り返したイングルズ。新たな挑戦について次のように意気込みを語った。

「エキサイティングなことさ。間違いなく本当にいいチームだからね。今年ウエスタン・カンファレンス・ファイナルまで勝ち進んだんだ。僕は自分に与えられた役割を完璧に理解してやっていくだけ。ルディ、アント(エドワーズ)、それにチームのみんなを助けつつ彼らを向上させて、できたらもっと先へ勝ち進みたいね」

 36歳のベテランにとって、覇権争いへ参戦できる有力チームから声がかかったことが嬉しかったようだ。

 そのイングルズは、現在オーストラリア代表の一員としてパリオリンピックへ向けて調整中。五輪には2008年の北京オリンピックから4大会連続で出場し、2021年夏の東京オリンピックでは銅メダルを獲得。5大会目のパリではさらにその先へ辿り着くべく、“ブーマーズ”を率いていくだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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