殿堂入り選手のアレン・アイバーソンはフィラデルフィア・セブンティシクサーズでの実績が認められ、銅像も建てられたフランチャイズのレジェンドだ。キャリア終盤はデンバー・ナゲッツ、デトロイト・ピストンズ、メンフィス・グリズリーズ、再びシクサーズと渡り歩いたが、かつての同僚２人はアイバーソンがシクサーズを離れて“重責”から解放されたとの見解を述べている。

　1996年のドラフト全体１位指名でシクサーズ入りしたアイバーソンは、NBAキャリア14シーズンで新人王、シーズンMVP１回、得点王４回、スティール王３回、オールNBA１stチーム選出３回、同２ndチーム選出３回、同３rdチーム選出１回、オールスター出場11回、NBA75周年記念チーム選出と、数々の功績を残した。その大半がシクサーズ時代に手にしたもので、2006年12月にナゲッツへトレードされるまで同球団で697試合に出場し、平均28.1点、3.9リバウンド、6.1アシスト、2.33スティールをマークした。
  　シクサーズで10年間、不動のエースとして活躍したのち、トレードでナゲッツへ移籍。2008年11月にピストンズに放出されるまでの約２年間、同じくスコアラーのカーメロ・アンソニーと共闘した。その間、計135試合に出場して平均25.6点、3.0リバウンド、7.1アシスト、1.9スティール、フィールドゴール成功率45.6％、３ポイント成功率34.4％を記録していた。

　2004～06年、2009～10年とシクサーズで２度にわたってチームメイトだった元NBA選手のアンドレ・イグダーラは、ナゲッツに移籍したことでアイバーソンの気持ちに安心する部分ができたと、カーメロのポッドキャスト番組『7 PM in Brooklyn』で語った。その理由は、2002－03シーズンを最後にラリー・ブラウンHC（ヘッドコーチ）がチームを去って以降、シクサーズは勝利のメンタリティーを失っていたからだという。

「私は（シクサーズという）勝利にプライオリティーがないチームにいた。彼（アイバーソン）はラリー・ブラウンと素晴らしい数年を過ごした。しかし、ラリー・ブラウンが去って、勝利の責任を負わされるようになった。そんな状況が彼にストレスを与え、疲弊させたと思う。それによって、彼はNBAで不満を抱くようになった」