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NBA

NBAオールスターゲームが持つ「ふたつの側面」。ファンにとってはお祭りだが選手からすると…

北舘洋一郎

2020.01.08

シカゴで行なわれる今年のオールスターゲーム。ビジネス面で成功したい選手にとっては格好のアピールの場となる。(C)Getty Images

シカゴで行なわれる今年のオールスターゲーム。ビジネス面で成功したい選手にとっては格好のアピールの場となる。(C)Getty Images

 あと1か月もすれば、NBAオールスターゲームがシカゴで行なわれる。同地では1988年以来、32年ぶりの開催。当時は、シカゴ・ブルズに入団したマイケル・ジョーダンが4シーズン目を迎え、不動の人気を得たタイミングとも一致し、最高の盛り上がりを見せた大会となった。

 今回はエア・ジョーダンが発売されてから35周年の節目を迎えることもあって、ジョーダンブランドをはじめ、NBAのオフィシャルサプライヤーであるナイキが様々なプロジェクトを準備中。すでにSNSなどでは、エア・ジョーダン1の前にジョーダンがプロトモデルとして履いていた、エアシップをベースにしたシューズを復刻発売する予定にもなっているようで、ファンにとっても非常に楽しみなイベントとなるだろう。

 ジョーダンの3度目の引退から15年以上が経ったが、その名前を冠するシグネチャーブランドがここまでの人気を維持し、さらなる成長を続けていることは、まさに驚異的と言っていい。
 
 アメリカのフォーブス誌によると、2018年6月~19年5月のジョーダンブランドの売上は約3414億円。そこからジョーダン本人は約141億円をコミッションとして手にしている。ちなみに同じ時期にレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)がナイキから受け取る契約金は約35億円と言われており、ジョーダンの凄さをまざまざと感じさせられる。

「時代は大きく変化した。これはアスリートにとっていいことだろう。NBAで頂点を極めた選手は、今や1年で100億円は稼ぐようになった。そのレベルのプレーヤーがリーグに30人はいる。それだけマーケットに影響を与えているということだ」

 そう話すのは、80年代のスーパースター、マジック・ジョンソン(元レイカーズ)だ。

 マジックが現役の頃は、ようやく選手を使った広告をスポーツブランドが始めた時期で、NBA人気も全米規模ではなかった。都市ごとにフォーカスされたローカル人気はあったものの、現在のような賑わいとは別のものと言っていい。

 コンバースを履いていたマジックだが、自身の名を冠したシグネチャーシューズを持ったのは、92年のバルセロナ五輪のドリームチーム入りした時。あれほどのスター選手だったにもかかわらず、NBA入りから13年が経ってからである。
 
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