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NBA

スーパースターと名コーチ製造工場、ノースカロライナ大。しかしジョーダン入学以前はエリート校には程遠く【名門カレッジ史|前編】

出野哲也

2020.01.07

“神様”ジョーダンをはじめ、ノースカロライナ大はスーパースターを数多く輩出。(C)Getty Images

“神様”ジョーダンをはじめ、ノースカロライナ大はスーパースターを数多く輩出。(C)Getty Images

 ノースカロライナ大(UNC)は、これまで6度のNCAAトーナメント優勝経験を持つ名門校だ。ファイナル4進出回数は史上最多の20回を数え、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)の出身校としても有名な同大は、プロ・アマを問わずバスケットボール界において数々の重要人物を生み出している。

 ノースカロライナ州の別名でもあるターヒール(州内にはこの名前の都市もある)をニックネームとするUNCで、男子バスケットボール部が創設されたのは1910年。24年には公式戦26試合に全勝するなど、52-53シーズンまで所属していたサザン・カンファレンス随一の強豪だった。

 53-54シーズンからは、創設されたばかりのアトランティック・コースト・カンファレンス(ACC)へ移籍。NBAの前身であるBAAが創設された47年は、ボーンズ・マキニーとハリー・ミラー(元トロント・ハスキーズ/現在は消滅)がUNC出身者としてプレーした。ワシントン・キャピトルズに在籍したマキニーは、オールBAAの1stチームに2度選出され、のちにABAのカロライナ・クーガーズでヘッドコーチ(HC)も務めている。
 
 初優勝を飾ったのは、フランク・マグワイアが指揮官を務めた57年。現在も学校記録として残る、平均28.0点をマークしたレニー・ローゼンブルース(元フィラデルフィア・ウォリアーズ/現ゴールデンステイト・ウォリアーズ)を中心に、レギュラーシーズンは32戦無敗と圧倒的な強さでトーナメントへと駒を進めた。

 迎えた大舞台では準決勝でミシガン州大をトリプルオーバータイムの末に下すと、怪物ウィルト・チェンバレンを擁するカンザス大との決勝でも再び3度の延長にもつれ込む大熱戦を繰り広げ、1点差で頂上決戦を制する。この相次ぐ劇的な勝利にノースカロライナ州全体が沸き返り、以後同州は全米有数のバスケ人気を誇るようになった。

 マグワイアは61年、新人選手の勧誘にまつわるスキャンダルが原因となって退任すると、同年にウォリアーズのHCに就任し因縁のチェンバレンを指導。チェンバレンが1試合100得点、平均50.4点という空前絶後の大記録を残したのはこのシーズンだった。その後マグワイアはサウスカロライナ大の指揮官を16年間務め、3つの大学で100勝以上をあげた最初のコーチとなっている。
 
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