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NBA

4選手と引き換えにウォリアーズに迎えられたバトラー。35歳の“問題児”は苦しむ元王者の救世主となれるか<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.02.07

当初はウォリアーズとの交渉が決裂したとも報じられたバトラーだが、入団会見では笑顔で意気込みを語った。(C)Getty Images

当初はウォリアーズとの交渉が決裂したとも報じられたバトラーだが、入団会見では笑顔で意気込みを語った。(C)Getty Images

 マイアミ・ヒートとの関係が悪化し、リーグ中を巻き込んだジミー・バトラーの移籍騒動は、最終的にゴールデンステイト・ウォリアーズ加入という形で決着した。

 5チームが絡む大型トレードが報じられたのは現地2月5日、ウォリアーズが敵地でのユタ・ジャズ戦を控えた約45分前のこと。ステフィン・カリーはこの試合のハーフタイム中にバトラーとやり取りしたことを明かし、次のように語った。

「僕らはジミーのことをよく知っている。(ヒートで)ファイナルに2度出場した勝者だ。人には様々なドラマがあること、そして真実を知っているのが誰なのかもわかっている。高いモチベーションを持って、僕らのチームを向上させることにコミットしたジミーに期待しているよ」

 ウォリアーズ加入後、バトラーは来季の契約(プレーヤーオプション)を破棄し、新たに2年1億2100万ドル(約183億9200万円)の契約に合意したと米スポーツ専門局『ESPN』が報道。

 35歳のフォワードは、この10年で4度の優勝を誇る元王者の一員として、自身3度目のファイナル進出、そしてまだ実現できていないリーグ制覇を成し遂げるべく、カリーやドレイモンド・グリーンと共闘することになった。
 
 バトラーは今季、ヒートから3度も出場停止処分を科され、1月21日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦を最後にプレーしていない。それだけに、まずはゲームシェイプを取り戻すことが先決だが、スティーブ・カーHCはあまり心配していないようだ。

「我々は(戦術を)複雑にしないようにしていくつもりだ。彼は素晴らしい選手。そういう選手たちは、同じく素晴らしい選手とどのようにプレーすべきかわかっているからね。だから私は、彼がフィットすることについてあまり心配していない。プレー面についても、大変なチャレンジになるとは思っていない」

 今季平均17.0点、5.2リバウンド、4.8アシスト、1.08スティールを記録するバトラーは、カリーと役割をシェアしつつ、時にチームを牽引する働きが期待される。

 現在25勝26敗と苦しむチームはアンドリュー・ウィギンズら4選手を放出した一方で、ジョナサン・クミンガやモーゼス・ムーディー、ブランディン・ポジェムスキー、トレイス・ジャクソン・デイビスといった若手はキープできただけに、バトラーが彼らへ好影響を与えることができるかも注目だ。

 百戦錬磨のファイターは一歩間違えれば劇薬と化し、チームメイトやコーチ陣と諍いを起こす火種になる可能性を秘めている。それでも、うまくフィットできれば大きな戦力となるだけに、勝負の後半戦、“ウォリアーズ版”のバトラーに期待したい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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