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「あのチームでは、イーストを制するのは難しかったと思う」アリナスが全盛期を過ごしたウィザーズ時代を回想<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2025.02.27

2000年代半ばにリーグ屈指のスコアラーとして君臨したアリナスだが、同時代に進境著しいレブロン(右)がいたことは不運だった。(C)Getty Images

 世界最高峰のバスケットボールリーグと言われるNBAにおいて、キャリアで優勝リングを手にできる選手は限られており、チャールズ・バークレー(元フェニックス・サンズほか)やカール・マローン(元ユタ・ジャズほか)といった殿堂入り選手もタイトル獲得は果たせなかった。2000年代に活躍したギルバート・アリナス(元ワシントン・ウィザーズほか)も優勝とは縁がなかったが、当時の状況ではそれも致し方なかったと考えているようだ。

 2001年のドラフト2巡目全体31位指名でゴールデンステイト・ウォリアーズに入団したアリナスは、ルーキーイヤーの途中からレギュラーの座を掴み、2年目の2002-03シーズンには全82試合に出場して平均18.3点をマークした。

 ウィザーズに移籍して平均25.5点をあげた04-05シーズンに初めてオールスター出場を果たすと、翌05-06シーズンはリーグ4位の平均29.3点、06-07シーズンもリーグ3位の平均28.4点を叩き出した。

 通称"エージェント・ゼロ"は、コビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)やカーメロ・アンソニー(元デンバー・ナゲッツほか)、レブロン・ジェームズ(現レイカーズ)らと並ぶリーグ屈指のスコアラーとして名を馳せたが、06-07シーズン終盤に左ヒザの外側半月板を断裂して長期離脱。25歳をピークに徐々に下降線を辿っていき、晩年はオーランド・マジック、メンフィス・グリズリーズ、中国リーグと渡り歩き、事実上の現役引退となった。
 
 それでも本人は「25歳までなら、俺はガードの中で歴代トップ4だ」と豪語するなど、自身の全盛期の充実ぶりには自信を持っていた。NBAの選手の多くは、個人の成績を追い求めるよりも優勝したいと口にするが、アリナスは少し違うようだ。

 自身がホストを務めるポッドキャスト番組『Gil's Arena』で、「ロバート・オリーのように7つのリングと5000万ドルの生涯年俸を得るより、ジェームズ・ハーデンのようなキャリアで、リングなしで3億ドルを稼ぐほうがいい」と明言した。

 そんなアリナスだが、ウィザーズ時代は現実的に優勝は難しかったとも振り返る。

「あの5年間で俺はチャンピオンシップを獲得できなかった。レブロンは才能を開花させていて、彼のチーム(クリーブランド・キャバリアーズ)は年々良くなっていた。ドワイト・ハワード(当時オーランド・マジック所属)も調子を上げていた。コビーのチーム(レイカーズ)は圧倒的な強さを見せていた。あのチームでは、イーストを制するのは難しかっただろう。どこも良いチームで、速かったからね」

 00年代後半のウィザーズにはアリナスのほか、オールスター選手のアントワン・ジェイミソンとカロン・バトラーを擁し、リーグ屈指のオフェンス力を誇った。スポーツ界に"If"は付き物だが、アリナスの全盛期がもう数年続いていれば、ファイナル進出のチャンスがあったかもしれない。
 
構成●ダンクシュート編集部

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